令和2年度第2回日高市空家等対策協議会の会議結果

日時

令和2年10月21日(水曜日) 午後2時から4時まで

場所

日高市役所 2階庁議室

公開・非公開

公開

出席者

谷ケ崎市長、新井委員、下村委員、池田委員、齋藤委員、横手委員、三角委員、橋口委員、皆川委員、後藤委員、釜須委員

欠席者

なし

説明員

都市計画課

事務局

都市整備部長、都市計画課長

傍聴者

2人

担当部署

都市整備部都市計画課

会議の経過

議事1 日高市空家等対策計画(素案)について

資料1および資料2に基づき、事務局より説明。

[説明要旨]
第1回会議で説明した空き家に関する課題、それに対する基本的な考え方、具体的な取組方針については、おおむねご了承いただき、共有できていると考えている。このため、各委員のご意見を要約し、要旨を組み合わせた形として、計画書(素案)への反映をさせていただいた。本協議会の了承がいただければ、来月に予定している市民コメントに諮っていきたいと考えている。

[質疑・意見]
委員:資料2の24ページ空き家バンクについて現在までに21件の登録があったということだが、登録された方は、一般の不動産事業者に登録があって、さらに市の空き家バンクにも登録しているということか、それとも、何らかの理由により市の空き家バンクのみを利用しているのか。料金の影響があるのか。また、媒介事業者の選定はどのようにされているのか。
説明員:市の空き家バンクの制度では、不動産事業者に媒介依頼していない物件に限定して登録しています。料金については買われる方の媒介手数料が免除されますが、売る方については特にありません。一般の不動産事業者ではなく、バンクを選択される場合は、価格が低いなど条件が悪く不動産業者に扱ってもらえない物件の所有者や市外在住で物件付近の不動産事業者をご存じない方が多いです。
委員:資料2の25ページ民間の空家等の利活用への支援について、第一種低層住居専用地域内等にある空家では、空家を住宅以外の用途に活用する場合、用途地域の制限が障壁となる。他の自治体では第一種低層住居専用地域内の用途制限を緩和する事例や地区計画制度をうまく活用している事例もあるようなので、これらを参考として、日高市も都市計画制限を調整できたらよいと思う。
説明員:一部の地区での用途地域の制限緩和の検討は難しいと考えている。地区計画も既存の計画は用途地域以上の制限を追加しており、特区的な制度活用はされていないので、現状では、まずは用途地域の制限の中で立地可能な建物用途への活用をしていくことになります。
委員:空家は住宅地に多くあるので、用途地域制限が利活用における検討課題の一つだと思う。
説明員:今後の検討課題であると思います。
委員:資料2の23ページの3.譲渡所得の3,000万円控除については、全ての空家で対象となるものではないので、制度適用の条件を追記したほうが良い。
説明員:条件を追記します。
委員:空家対策では予防が一番大切だと感じている。親などはお墓や仏壇があるところに子供はいつか戻ってくるものと思ってしまうが、子供が相続人となった時に海外へ行ってしまっていたりすると、管理なんてできませんし、好きなように処分してとか言いだしたりしますが、そのような物件は相続手続きがされていないことがあり、処分も進まない。
説明員:お墓とか仏壇があるといつか戻ってくると思ってしまうというのはあると思います。また、武蔵台など比較的余裕がある方などはすぐに処分することをしないことが多く、後々財産処分が大変になってきますので、相続対策をしっかりすることが空家問題を未然に防ぐことにつながりますので、「相続おしかけ講座」を利用して周知していければと思います。
委員:資料2の15ページに空き家実態調査の結果による空き家種別で、保安上危険というのが24件ある。今後、特定空家等に該当して、助言または指導に移行するものがあると思う。資料2の27ページで各段階(認定、勧告、命令、代執行、略式代執行)における判断はこの協議会の意見を踏まえて、市長が判断するとあるが、指導するかどうかを協議会に諮るのか、勧告からなのか、命令からなのか。
説明員:資料2の31ページに措置の手順フローを掲載していますが、これは埼玉県空き家対策連絡会議において示されているものです。特定空家等に認定するか否かの段階および行政代執行、略式代執行の前の段階で本協議会のご意見を伺いたいと考えています。
委員:特定空家等の認定については判定基準によって客観的に判断をするものだが、その後協議会に諮るということか。
説明員:管理不全な空家の所有者に向けて口頭や文書の通知によって助言または指導を行っていますが、なかなか改善されなかったり、所有者が不明な場合など、法的措置が必要な案件について、空家法に基づく特定空家等の認定を行うことを考えています。
委員:今、法的措置への移行が必要と思われる物件はどれくらいあるのか。
説明員:正式にマニュアルに則った判定は行っていないので正確なところは申し上げられないが、担当として要注意物件として認識している空家は10数件あります。
会長:それは、既に市から指導している物件ということか。
説明員:はい。
委員:勧告を受けた土地については住宅用地に対する固定資産税の軽減が解除されることから、所有者に対する影響が大きいものと考えられる。この勧告を行う前に協議会の意見を聴
いている他の自治体もある。
会長:どの段階で協議会に諮るべきかについては国や県のマニュアル等に示されているのか。
説明員:協議会に諮るタイミングについては示されていませんので、勧告の前にも意見を聴くとすることは可能です。
委員:税の軽減が解除された場合に改善された事例はあるのか。
説明員:県が県内市町に調査した結果に勧告の件数はあるが、そのうちの改善した件数まではデータがありません。
会長:本協議会に図る段階については、特定空家等の認定前よりも勧告の前が良いのではという意見があるが、各委員はどう思われるか。
委員:特定空家等の認定は判断基準によってある程度客観的にできるので、協議会に諮って認定することに違和感がある。
会長:勧告を受けるとペナルティーがあるので、その前に諮ったほうが良いということか。
委員:はい。
委員:特定空家等の認定については市で判断して認定をしてよいのでは。
説明員:特定空家等の認定については、客観的な判断基準に基づいて行うため、市で認定を行い、管理不全な空家に対する助言、指導を行った後、勧告が必要となった段階で協議会の意見を伺うということでよろしいですか。
会長:協議会の意見を聴く段階については、認定の段階ではなく勧告の段階として良いか。
委員:異議なし。
会長:それでは資料2の31ページで「3助言又は指導」の前に協議会に諮るとしているが、認定の前段階ではなく、「4勧告」の前段階で協議会に諮るものとして修正し、この素案をもとに市民コメントの募集を行う。

[決定事項]
資料2日高市空家等対策計画(素案)の31ページ空家法における特定空家等に対する措置の手順フローに示す空家等対策協議会の意見を求める時期は、勧告を行う前、代執行または略式代執行の前とし、これを日高市空家等対策計画の素案として市民コメントを行うこととした。

議事2 事例紹介「こま武蔵台の課題対応について」

資料3-1、資料3-2、資料3-3に基づき後藤委員から説明。

[説明要旨]
学生が中心となってタウンハウスの空き家をリノベーションする事業をきっかけに、東京大学と東急不動産株式会社で、こま武蔵台団地のまちづくりや空き家の課題に取り組んでいる。昨年、若い夫婦が入居したが、継続して取組むには、改修費用を抑える工夫が必要。
また、ショッピングセンターの空き店舗を活用して「コワーキングプレイスこま」を開設し、地元住民で組織する「げんきネット武蔵台」が運営する事例では、コロナ禍以前からの計画であったので「新しい生活様式」に対応した設備の追加が必要となっていることや、利用者がまだ少ないので広く周知して多くの人に利用してもらえるようにすることが課題。

[質疑・意見]
会長:開始時にテレワーク需要が330人あると説明がありましたが調査を行っているのですか。
説明委員:去年アンケートを東急不動産株式会社が実施し、こんなスペースがあったら利用したいと答えてくれた数です。
会長:アンケート調査の難しさと言いますか、あったらいいなと思うことと実際に使ってみることとは結果が違ってくるのが難しいですね。
説明委員:そうですね。とにかく一回使用して便利さを実感してもらえれば利用が広がると思うので、例えば初回無料券など配るのも有効かと思います。
会長:武蔵台に「コワーキングプレイスこま」があるということが、まだまだ広く知られていないと思うのでPRが必要ですね。若い人たちにはテレワーク需要があると思うので、都内には結構あるでしょうが、近隣市を見てもまだまだこういうスペースはないでしょうから、武蔵台に限定せずPRできると需要が広がるのではないでしょうか。
部長:コロナ禍以前のアンケートということもあり、自宅が安心という意識があるのではないでしょうか。それでも若い人には需要があると思います。
説明委員:そうですね。若い人へのPRが必要と思います。
委員:施設運営している地域活性化団体「げんきネット武蔵台」とはどのような団体なのか。
説明委員:昨年度立ち上がった任意のまちづくり団体で、もともと自治会で活動していた地域住民を中心として現在20人くらい参加しており、地域の活性化に熱心な方々です。今年度中にNPO法人化することを目指しているとのことです。
委員:最初に紹介いただいたリノベーションですが、私が近所なのですが、若いご夫婦が入居されて地域の活動にも参加されています。ただ、4年の契約で入居していると聞いたが。
会長:子育ての環境としては良いところなので、更新していただいて長く住み続けてもらいたいですね。ほかの空家にも若い方に住んでもらえると良いですね。
この事例では、法的な支障はなかったですかね。
説明委員:建物の用途が変わらなかったので、特にありませんでした。
委員:テラスハウス物件は値下がりしているので、リノベーションによって付加価値がついて若い人が来てくれることはまち全体で見ても良いことですね。
説明委員:そうですね。取り組みの最初に調査した際に、親が武蔵台に住んでいる若い世帯が子育てをきっかけに戻ってきて近居していることもあるので、こういう世帯の受け皿になっていくと良いなと思います。
委員:リフォーム費用が大変ですが、今回は東急不動産株式会社にバックアップしてもらっていると思いますが、東急不動産株式会社は今後どれくらい関わってもらえるのか。
説明委員:決まってはいないと思う。
部長:街として考えると、市街地だと若い人が入りやすいアパートなどが一緒にあると街として継続していけますが、戸建て住宅団地は人の入れ替えがあまりなく、世代交代が難しいので、このような取り組みはありがたいと思います。
説明委員:そうですね。戸建て住宅のみでは、「試しに住んでみようかな」といったことができないので、これをどう解決していくかが重要なのだと思います。

議事3 特定空家等の認定方法について

資料4に基づき、事務局より説明。

判定は目視で確認する1.の項目と周辺への影響と危険の切迫性を判定する2.の項目を行い、1.と2.に該当する調査項目の有無によって判定する。
マニュアルにおいては、一つでも該当があれば特定空家等とする場合と、複数の該当で特定空家等とする場合が示されているが、市では、比較的慎重な判定が可能と思われる複数案を基本に対応していきたいと考えている。
1.の判定については、都市計画課の建築士や応急危険度判定士の有資格者と空家担当職員とが一緒に現地を確認して判定する。協議会には勧告時からご意見を伺うこととなったが、特定空家等の判定状況については会議の中で報告させてもらう。

[質疑・意見]
委員:複数の項目で判断するということだが、建築物の倒壊する恐れが目視で判断できるときには、近隣住民に被害が及ぶと思うが、例えばこれしかチェックがつかない場合にも一つだけだからと特定空家等とはしないということか。
説明員:基本的にはそうなのですが、現実的には項目一つだけに該当している事例はあまり見受けられないと思われます。倒壊危険性のあるものは、放置されて久しいので、立木の越境や、雨樋の脱落も該当しているなどそのほかの項目にも該当していることがほとんどです。
委員:しかし、一つしか該当しない場合に、このまま放置すれば通行人等に被害が及ぶ恐れがあることが分かっていても、複数該当が無いからと認定しないということか。所有者が不在な場合には状態がさらに悪化するのを待つということになる。
説明員:現場的にすぐにでも影響がありそうな場合には条例による緊急安全措置で対応します。
委員:このマニュアルは埼玉県による作成ということだが、県内他市町でも同じマニュアルを使用して認定を行っているのか。
説明員:基本的にはこのマニュアルを使用していると思いますが、独自の基準を定めている市もあ
ります。
委員:一つというのは各ページごとか、別紙の全てでか、別紙の基準ごとか。
説明員:各ページごとで複数です。
委員:各ページ一つずつ該当する場合は認定できないのか。
説明員:一つずつでは判定されないですが、総合的に判定するということで認定する場合もあろうかと思います。
会長:近隣住民にとっては早く認定することで安心感があるのではないか。あまりひどくなってからよりは早めに措置されるほうが良いのではないか。実際、一つで判定と、複数で判定とで数はあまり変わらないのではないか。
説明員:実際には数の差はないのかもしれません。
会長:それならば、一つでも該当したら認定としても良いのではないか。早めに手を打つという点でも、あまりひどくならないうちに措置できたほうが良い。
委員:一つの該当で判定することのデメリットは勧告や命令等を行う場合に慎重な対応が求められるとありますが、先ほど話し合った通り、勧告または命令を行う前に協議会に諮るということであるので、慎重な対応も可能になるのではないか。
会長:現在該当しそうな空家が十数件あるということだが、このうち勧告の対象になりそうなのは何件くらいなのか。
説明員:感覚的には、およそ全て対象になってくるのでは、と思います。倒壊の恐れのある物件は少ないですが、衛生上や景観上などの面で支障となる物件に該当してくると思います。
委員:近隣住民へ被害が及ぶ可能性というのはどのような状態を想定しているのか。物理的な影響を想定しているのか。
説明員:隣の屋根、壁にぶつかってくるとか、落ちたら通行人に当たってしまいそうとか物理的な部分に加えて、景観上ですとか、小動物による糞害や臭いなどがあるかと思います。
委員:建物が倒れるような空家でも敷地が広く、周囲に何も影響しない場合は該当しないということもあるのか。
説明員:そういう場合もございます。
委員:基本的に財産権があるので、そこに行政が介入するというのは極めて例外的な場合に限ります。第三者に影響を及ぼしそうな場合に限り認められるものなので、建物が朽ちそうだけど周囲に影響しないときは介入できないが、草木が繁茂し、小動物が棲みついている場合など第三者に影響を及ぼすときは行政が介入できるというのが空家法の解釈と思います。
会長:特定空家等の判断基準については、一つでも該当すれば認定していくということで良いか。
委員:異議なし。
会長:一つでも該当すれば認定していくということにいたします。

[決定事項]
特定空家等の認定については、埼玉県空き家対策連絡会議が作成した特定空家等判定方法マニュアルを用いて判定を行い、チェックリストの判定1.2.該当項目が一つあれば特定空家等と認定することとした。

議事4 その他

「相続おしかけ講座」の開催について

11月12日に「相続おしかけ講座」を高麗地区の民生委員の定例会中で開催することについて、皆川委員(民生委員)から報告があった。皆川委員も受講する予定なので、次回感想などを報告いただける予定。

[質疑・意見]
会長:事務局は参加するのか。
事務局:市内で初めてですので、見学させていただく予定です。
会長:何人くらい参加する予定ですか。
説明委員:高麗地区の民生委員26人の予定です。

日高都市ガス株式会社の空き家の持ち主応援隊登録について
ふるさと納税返礼品として日高都市ガス株式会社による空き家の管理を加えたことについて

日高都市ガス株式会社が埼玉県空き家の持ち主応援隊に登録したことと、日高市へのふるさと納税の返礼品に空家の管理業務を入れたことを釜須委員(日高都市ガス株式会社)から報告があった。

[質疑・意見]
会長:ふるさと納税のサービス内容を詳しく説明していただきたい。
説明委員:10万円寄付に対して、3万円分の返礼品として、屋内外の管理を行う月1万円のサービスを3か月受けることができます。

緊急安全措置の実施について

2件目の緊急安全措置を実施したことを事務局から報告した。所有者等が不存在である空家で、敷地内の樹木が繁茂し、隣接地への影響が著しいことから、都市計画課と環境課の職員が直接、枝打ち等の措置を行った。

[質疑・意見]
会長:所有者が不存在とはどういう事情か。
事務局:登記上の所有者は既に死亡しており、兄弟、配偶者、子が無く、両親も既に死亡しているということです。
会長:今後はどうするのか。いつまでも放置されたままか。
事務局:財産管理人制度を活用し売却を行う方法はあります。
委員:固定資産税はどうなっているのか。
事務局:請求先となる納税人がいないので課税が保留されています。
委員:滞納が嵩めば競売に掛けて債権回収し国庫に帰属させるものではないのか。
事務局:滞納額がそれほどでもないので、現段階では、競売の予定はないと担当課から聞いています。
委員:額の問題ではなく、もはや回収する見込みがない物件なのだから競売に掛けて売却することが必要なのではないか。財産管理人による売却では債権回収はできないが、競売なら債権が回収できるし、空家がもたらす問題は解消するのだから。
事務局:空家の対応としても財産管理人制度活用が可能なので、手法の検討をしていきたいと思います。
委員:競売と財産管理人とでは制度が違う。少しではあっても債権を回収すべきではないのか。
委員:国は帰属させよとは言わないのだから、債権者が無ければ長い間放置されてしまう。
会長:これからこのようなケースが増えてくると思う。税としての対応をどうするのか、税の担当課とよく協議して、市としての対応を定めるよう指示する。

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更新日:2020年11月19日