令和3年度第1回日高市空家等対策協議会の会議結果

日時

令和3年10月29日(金曜日) 午後2時から4時まで

場所

日高市役所 5階501会議室

公開・非公開

公開

出席者

谷ケ崎市長、潮田委員、下村委員、池田委員、齋藤委員、横手委員、三角委員、橋口委員、皆川委員、後藤委員、釜須委員

欠席者

なし

説明員

都市計画課

事務局

都市整備部長、都市計画課長

傍聴者

2人

担当部署

都市整備部都市計画課

会議の経過

議事1 日高市空家等対策の報告について

令和3年度の状況報告について

資料1、資料2に基づき、事務局より説明。

[説明要旨]

  1. 空き家の発生予防について
    1. 広報ひだかを活用して、空き家対策の市民の意識醸成、動機付けを行った。今年度の広報6月号では、今年3月に策定した日高市空家等対策計画の概要として、予防、活用、除却の取り組み方針とその具体的な施策について掲載した。翌7月号では、所有者に適正管理を促し、空き家のチェックリストを掲載した。9月号では、空き家の持ち主応援隊として、空き家等の管理や売却など県と連携して取り組んでいる不動産団体のサイトの二次元コードを掲載し、市内の登録事業者を紹介した。10月号では、住宅を相続する際のお得な情報やコツを解説する相続おしかけ講座の紹介を掲載した。また、資料には掲載していないが、明日発行となる11月号では、日高市空き家・空き地バンクの活用に関する記事を掲載している。
    2. 相続おしかけ講座を令和3年12月9日の午後2時から高萩北公民館で、公民館事業の一環として行う。講師は池田委員が務め、事前予約が必要であるが誰でも参加が可能である。
  2. 空き家の活用について
    1. 空き家・空き地バンクの状況については、9月末現在で空き家の登録は1件、空き地の登録は6件の計7件であった。
      (注釈)詳細は別添[資料1]を参照。
    2. 利活用可能な空き家の市場展開を図るため、平成30年に実施した日高市空家等所有者意向調査で空き家の活用意向があった人に対し、フォローアップ調査を行った。
      • 対象者 67人
      • 実施期間 令和3年8月11日から9月10日まで
      • 回答件数 49件(回収率73.1パーセント)

(注釈)詳細は別添[資料2]を参照。

今後、アンケート回答者へ空き家・空き地バンクの資料を送付し、登録の促進を図る。

また、社会福祉団体への情報提供についても、了解を得た人から情報を提供していく。

[質疑・意見]

会長:質問はあるか。

委員:なし。

特定空家等の認定について

資料3に基づき、事務局より説明。

[説明要旨]

  1. 管理不全な空き家等の外観調査
    これまで相談や苦情があった中で、保安上危険な恐れがある物件、32件をピックアップして、これらの物件に対して、外観目視による調査を2回実施した。調査の結果、32件のうち3件については、このまま放置しておくと倒壊等著しく保安上危険となる恐れがある状態と判断されるため、空家法に基づく立ち入り調査が必要と判断した。
  2. 立入調査の実施
    空家法第9条第2項に基づき、特定空家等に該当するか否かを判断するため、所有者に事前通知をした上で、10月1日に立ち入り調査を実施した。立ち入り調査の結果、3件について特定空家の認定が必要と判断した。
  3. 特定空家等の認定箇所
    10月14日付けで物件1から物件3までの3件について、特定空家等の認定を行った。

(注釈)物件の詳細は別添[資料3]を参照。

今後も引き続き、助言、指導を行い、改善が見られないようであれば、法に基づき、手続きを進める。勧告を行う段階にあっては、事前に本協議会の意見を伺った上での判断となるので、よろしくお願いしたい。

[質疑・意見]

委員:点数を付けて基準に基づいて認定しているのか。

説明員:点数ではなく、チェックリストの該当するところに丸を付けている。それが 周辺への影響と建物の危険の切迫性、両方に丸が付いていれば特定空家等になる。

委員:他の自治体の例を参考にしているのか。

説明員:判定の仕方については調査したが、埼玉県から示されているチェックリストを使用した。市町村によっては、点数化しているところもある。

委員:特定空家に認定するのに他の自治体を参考にしたのか。

説明員:他の市町村の特定空家については、非公開にしている部分が多く、こういう状況が特定空家になったということは、把握していない。国交省で示している事例を参考にしている。

会長:32件あって3件しかなかったのか。

説明員:差し当たり3件だが、外29件については改善する様に文書通知をしている。

会長:改善しない大きな理由は何か。

説明員:今のお金が無いということである。

委員:固定資産税も払っていないのか。

説明員:払っている所といない所がある。

委員:抵当が付いているのか。売却するつもりも無いのか。

説明員:抵当が付いているものもある。

委員:金融機関等に相談をしているのか。

説明員:所有者に売却に向けて相談するように促してはいるが、なかなか動かない。

委員:売れたら解体できるので、一番現実的だと思う。

説明員:売れたとしても、抵当を外せるだけの売却益を見込めるかということで難しい。

説明員:先ほど説明の中で勧告まで話したが、その後に意見書の提出の機会を設け、命令まで行う。それに従わない場合は、また協議会に諮る。

委員:仮に代執行まで行った場合、最後に費用は請求するのか。

説明員:請求する。

委員:金銭的に余裕がないと言っているのに、支払いが可能なのか。

説明員:国税徴収法の例により、生活に必要なもの以外の物件および給料を差し押さえする事になる。どこまで回収出来るかは分らない。

委員:所有者の年齢は、高齢者が多いのか。

説明員:高齢の人もいれば、高齢でなく働いている人もいる。

委員:高齢の人は、近くに住んでいるのか。

説明員:近隣の自治体に住んでいる。

委員:売却の意思はあるのか。

説明員:抵当権が設定されているので、その対応をしてからの売却になると思われる。

広報ひだかシリーズ連載へのご協力のお願い

資料4に基づき、事務局より説明。

[説明要旨]   

  1. 目的は、空き家対策(予防、活用、除却)の観点から、広報ひだかを通じた啓発活動を行う。
  2. 実施主体は、本協議会委員10人。
  3. 期間は、令和4年2月号から11月号までの全10回。
  4. 分量は、広報紙1ページの半分のスペースとなり、字数で750字前後、イラストや写真等の使用も可能。
  5. 各テーマは、各委員の専門分野に関連した、空き家対策に関連する記事を毎月、交代で掲載する。

(注釈)詳細は別添[資料4]を参照。

[質疑・意見]

委員:文字を少なくして、イラストにした方がインパクトがあり良いと思う。空き家に対しての問い合わせ先も記入したほうが良い。

会長:委員の皆さんに引き受けてもらえるか。

委員:(全員、了解)

会長:不明な点は、事務局へお願いしたい。

議事2 埼玉司法書士会との連携協定の締結について

資料5に基づき事務局より説明。

[説明要旨]

  1. 9月28日に埼玉司法書士会と谷ケ崎市長との間で、空き家対策に関し連携協定を締結した。
  2. 協定の目的は、空家対策に関する事務の適正な処理について市と埼玉司法書士会が互いに連携協力することにより、安心安全なまちづくりを目的としている。
  3. 協定の内容は、市や空き家所有者からの相談事務、空家等の権利調査事務、保佐および補助の開始、ならびに相続財産管理人の選任または不在者財産管理人の選任にかかる審判申立書の作成事務等。

詳細は別添[資料5]を参照
続けて【議事(3)】を説明

議事3 相続財産管理人制度の活用について

資料6に基づき事務局より説明。

[説明要旨]   

  1. 相続財産管理人制度とは、相続人の存在、不存在が明らかでないときに、利害関係人からの申し立てにより、家庭裁判所が相続財産を管理する管理人の選任をする制度で、相続財産管理人は財産の調査、管理、処分を行う。この制度を活用して、相続人がいないと思われる空き家の処分を行うもの。
  2. 対象物件は、日高市大字原宿地内、市街化区域で第一種中高層住居専用地域の空き家で、所有者は、平成27年に死亡しており、相続人は不明。

(注釈)経緯等詳細は別添[資料6]を参照

[質疑・意見]

委員:相続財産管理人制度は、利害関係を持っている人等から申し立てにより、管理人を選任する制度であり、申し立ての際にお金と時間がかかる。公告後、官報の掲載も必要になる。苦情があれば、行わなければならないと思うが、費用との兼ね合いになると思う。

説明員:今の物件は、比較的築年数が新しい物件であり、売却処分が可能と思われるため、この制度を活用するものである。

会長:直して売るのか。

説明員:このまま放置すると、朽ちていく一方なので、早めに処分したいと考えている。

議事4 情報提供について

相続登記の義務化について

資料7および追加資料に基づき、池田委員より説明。

[説明要旨]   

  1. 現在、登記は「義務」ではなく「権利」である
    [売買の場合]他人からお金を出して権利を買う。自分の権利を公示したいという動機づけがあるので、皆が登記する(登記をしなくても権利自体は移転するが、売主が他の人に二重に売ってしまうリスクはある)。住宅ローンを組む場合は、登記しないと金融機関がお金を貸してくれない。
    [相続登記の場合]権利が「移転」するという意識が希薄。
    [ほったらかしにしておくと]世代をまたぐごとに相続人が増える。誰か一人に権利を相続させたい場合、相続人全員のハンコがいる。いつしか手が付けられない状態になってしまう。
  2. 今後は具体的にどうなるか
    正当な理由がある場合を除き、相続等が発生してから3年以内に登記しないと、10万円以下の過料。改正相続法はまだ施行されていないが、今、相続が発生した場合も無関係ではなく「相続発生日か改正法の施行日のいずれか遅い日から3年以内」に登記する義務が課される。
  3. 遺産分割がまとまらない場合は
    いったん法定相続分で登記してから、遺産分割で決まった内容で再度登記をする必要がある。もしくは、相続人申告登記をして義務を免れる方法もある。
  4. 相続人申告登記とは
    権利が移転するのではなく「私は登記簿上に載っている人の相続人です」ということを国に報告し、それを公示するための制度。 これをしておけば、とりあえず過料は免れることができる。

(注釈)詳細は別添[資料7]および[追加資料]を参照

続けて下村委員より民法233条改正を説明。

越境した枝の切除について(民法第233条の改正)

資料8に基づき、下村委員より説明。

[説明要旨]

越境した枝の切除に関するルール変更

令和3年4月28日公布された。施行日は未確定で公布の日から2年以内とされている。

(現在)切除するには竹木所有者に対する訴訟提起が必要。

(改正後)一定の場合には訴訟提起なしに枝を切除できる。

  • 共有竹木の取り扱い→共有者単独で切除可能。
  • 越境した根の切除に関するルールに変更なし(切除してよい)。

訴訟提起なしに枝を切除できる場合のルール

  1. 急迫の事情があるとき→切除可
  2. 急迫の事情はない
    •    2.-1竹木の所有者が不明、または所有者は分かるものの行方不明→切除可
    •    2.-2竹木の所有者は判明している→催告が必要。それにもかかわらず相当期間内に切除しないときには切除可

(注釈)改正の詳細は別添[資料8]を参照

続けて後藤委員より空き家調査の概要を説明。

武蔵台地区の空き家調査について

資料9に基づき、後藤委員より説明。

[説明要旨]   

実施日…令和3年6月27日、29日の2日間

調査員…東大の学生、教員、東急関係者、調査に協力いただいた現地の皆さん

調査項目…

  1. 門・門扉・施錠設備についての破損状況
  2. 窓の破損の有無
  3. 敷地入り口から建物玄関までの通路が侵入可能か
  4. ゴミ・放置物の有無・散乱しているか
  5. 庭などの雑草の状況
  6. 軒先・軒裏の破損状況
  7. 売り家・貸家などの看板の有無
  8. 近隣住民・管理人情報の有無・その内容
  9. 日高市調査に基づく利用可能度合いのランク
  10. その他、郵便受けや屋根、フェンスや塀、外壁、雨戸やシャッターなどの状況

これらの項目や生活感の有無から空き家かどうかの判定を行った。地元の人の話を聞きながら今後のまちづくり提案に生かしていく。

  • 武蔵台地区の空き家率は7.28パーセント、全国平均よりは低い模様。
  • 特定空家に該当する物件は、ほとんどない。有効活用な空き家が大半である。
  • 入居開始が早い丁目は空き家数が多い。比較的新しい丁目は空き家数が少ない。
  • 有効活用の空き家が多いので、今後はいかに循環させていくかが課題になる。
  • 市とも情報を共有していきたい。

(注釈)調査結果の詳細は別添[資料9]を参照

[質疑・意見]

会長:3人の委員から説明があったが、質問はあるか。

委員:武蔵台地区の空き家調査について、テラスハウスの分類をしているのか。

説明員(後藤委員):調べれば分るが、今は分からない。

委員:テラスハウスは修繕方法が難しいので、空き家になると問題になる。

議事5 その他

会長:委員から何かあるか。

委員:なし。

会長:事務局から何かあるか。

事務局:広報シリーズ連載企画の件は、委員の担当月が近くになったら、改めて執筆の依頼文書を送付させていただく。

会長:以上を持ち、議事は全て終了したので、議長の任を降ろさせていただく。

事務局:次第4 その他。事務局から連絡事項がある。次回の会議は、特定空家等の状況により、勧告等の次の手続に移る段階になったら、開催したいと思う。

閉会。

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更新日:2021年11月12日