令和5年度第1回日高市地域公共交通協議会の会議結果

会議結果は次のとおりです。

令和5年度第1回日高市地域公共交通協議会会議録

日時

令和6年1月24日(水曜日)午前9時30分から正午まで

場所

高萩公民館多目的ホール

公開・非公開

公開

非公開理由

なし

出席者

谷ケ崎市長、久保田会長、金子職務代理、鈴木委員、山岸委員、小谷野委員、山下委員、中山委員、村上委員、原島委員、藤吉委員、嶋田委員、杉山委員、関根委員、美濃浦委員、江頭委員、守谷委員、長岡委員、田中委員、松尾委員、後藤委員、鹿山委員、古本委員、野々宮委員、木村委員

欠席者

藤田委員、小嶋委員、松川委員、坂巻委員   

説明員

危機管理課長、交通安全・防犯担当主幹、交通安全・防犯担当主任

事務局

総務部長、危機管理課長、交通安全・防犯担当主幹、交通安全・防犯担当主任

傍聴者

7人

担当部署

総務部 危機管理課 交通安全・防犯担当

議題および決定事項等

1.議事

  • 会長・職務代理の選任について
  • 地域公共交通協議会の位置付け並びに日高市地域公共交通協議会交通戦略部会および運賃協議部会規程について
  • 日高市地域公共交通協議会事務局規程について
  • 協議会等の会議の公開決定事項について

2.報告事項

  • 日高市の地域公共交通の現況
  • 日高市地域公共交通計画の作成に向けた進めかた

3.話題提供および意見交換

  • 「地域公共交通の在りかたについて」

会議資料等

会議の経過

審議事項

日高市地域公共交通協議会条例(以下:条例)に基づき、日高市長より委嘱された委員への委嘱状交付の後、次の事項を協議し、了承を得た。

議案1 会長・職務代理の選任について

会長:条例第5条第1項の規定に基づき、久保田委員が選出された。

職務代理:条例第5条第3項の規定に基づき、金子委員が指名された。

議案2 地域公共交通協議会の位置付け並びに日高市地域公共交通協議会交通戦略部会および運賃協議部会規程について

資料1、資料2、資料3-1および資料3-2に基づき、事務局より説明。

[説明要旨]

地域公共交通協議会を設置し、地域公共交通計画を策定する目的を説明するとともに、各種専門部会設立の規程に関する説明を行った。

[質疑・意見]

質疑・意見なし(全委員異議なし)

[決定事項]

事務局案のとおり決定

議案3 日高市地域公共交通協議会事務局規程について

資料4に基づき、事務局より説明。

[説明要旨]

地域公共交通協議会の円滑な運営および公印の取り扱い等に関する規程の説明を行った。

[質疑・意見]

質疑・意見なし(全委員異議なし)

[決定事項]

事務局案のとおり決定

議案4 協議会等の会議の公開決定事項について

資料5および資料6に基づき、事務局より説明。

[説明要旨]

協議会の会議の公開および会議録等の公表について、日高市審議会等の会議の公開に関する基準に基づき、事務局案として提示した。

[質疑・意見]

質疑・意見なし(全委員異議なし)

[決定事項]

事務局案のとおり決定

報告事項

(1)日高市の地域公共交通の現況

資料7に基づき、事務局より説明。

[説明要旨]

日高市の地域公共交通の現状として、少子高齢化の進行および移動機会の減少に伴う影響に加え、徒歩圏カバー率等による公共交通の整備状況を説明した。

[質疑・意見]

質疑・意見なし

(2)日高市地域公共交通計画の作成に向けた進めかた

資料8に基づき、事務局より説明。

[説明要旨]

地域公共交通協議会での議論内容およびスケジュール等を示し、令和5年度に実施する各種調査(市民アンケート・バス乗降調査)内容を説明した。

[質疑・意見]

質疑・意見なし

話題提供および意見交換「地域公共交通の在りかたについて」

久保田会長より、「地域公共交通の在りかた」についての話題提供。

[質疑・意見]

会長:委員の皆さんより一言ずつ、話題提供を踏まえた感想、本協議会に対する思いを頂戴したい。

委員:会長の話題提供により、地域公共交通について非常に勉強になった。かつて助産師の仕事をしていた経験もあるが、医療機関までの交通手段の確保が難しい妊産婦を多く見てきた。市主体のマタニティタクシー利用料金助成事業については、妊産婦や、さらには子連れの人が子どもを病院に連れていく際に利用する等、より一層普及できると良いと思った。

委員:バス路線が無いために移動が不便な人が多いが、日高市でコミュニティバス等を運行させる公費が無く実現は難しいのではないかと思っている。そうした中で少しでも交通利便性が高くなるよう、良い方法が無いか考えていた。方法の1つとして、例えば市ではなく、民間企業が走らせる車の有効活用も検討の余地がある。この方法には法律等の制限が関わるが、車両を市民のために活用するのも良いのではないか。会長からの話題提供にて、ふじみ野市や川島町の事例について話があったが、さまざまな課題解決の方法があると知った。こうした事例を参考に、日高市で移動手段に困っている人にとって使い勝手が良く、また、公共交通の担い手にとっても良いなど、WIN-WINとなる方法を皆さんで検討できれば良いと思う。

委員:23年前、NPO法人を立ち上げたきっかけが福祉有償運送であり、高齢者が外出の足に困っているのを助けるために開始した。しかし、車両保険の問題やガソリン高騰、さらには、有償ボランティアとはいえ、最低賃金の上昇や法規制等が問題となってきている。介護保険制度と移送サービスの問題の対応は難しく、現状、狭い範囲での対応となっている。例えば、デイサービスの帰りに、利用者からコンビニに寄ってほしい等の要望があるが、その際に起きたトラブルに対しての対応といった責任問題については、整理できていない。事業所の経営判断として守るべきこともあるが、改めて高齢者の移動問題への対応方法を考えていきたい。

委員:日高市社会福祉協議会では、平成23年度から日高市地域おたすけ隊の活動をしており、今年度で13年が経過する。高齢化や担い手不足の問題があり、活動に協力してくれているボランティアの人からはこれ以上の活動継続が難しいとの声があがっている。

委員:交通が不便な地域に住む市民が多い中で、私自身も普段は母親の通院の送迎をしている。交通の利便性が高まることで普段の生活を助けてもらえる。少しでも移動の面から支援してもらえれば、市民生活の質も上がると思われる。そのためには、地域の人や子育て世帯等の意見を聞き取り、ぜひ協議会で伝えていければと思う。

委員:ときがわ町にて、通院を必要とする87歳の父親と同居している友人から、移動についての話を聞いた。ときがわ町では、町内に限り1回500円、定期2,500円でバス乗り放題を実施している。越生タクシーが運行事業者であるにもかかわらず、越生駅にはこの乗合タクシーでは行けないという話が印象に残っている。今後、日高市において良い交通手段をさまざまな形で検討できるとよい。

委員:日高市は、10年から20年前に市内で循環バスを運行していたが廃止をしたという話が市長からあった。公共交通を再度運行させることとなった時に地域の人に話したら、「またやるのか」「日高市は失敗したのではないか」という声があった。しかし当時としては、時代を先取りしすぎていたのではないかと感じており、まずはやってみようという思いから、先を見て実施した結果ではないかと思った。当時からは社会情勢も変わっていることも考慮して、慎重に検討する必要がある。話題提供については、周辺市町の取り組みを教えていただき勉強になったため、日高市も参考にしつつ、また、税収も減っていることも鑑み、IT技術等も併せて活用して、先進的な取り組みにつなげていければ良いと思う。

委員:協議会資料を拝見して、よく検討しつ、かつスピード感をもって取り組んでおり、このグループの一員になったことを誇りに思う。今は夢物語かもしれないが、10年後20年後には、公共交通をスマートフォン等で予約したり、ドローン等を活用したサービスをしたりできるのは夢ではないかもしれない。そのようなサービスがあれば、例えば他市町村において災害が発生した際には、日高市から支援するような体制も構築できる可能性がある。

委員:市の取り組みについては、非常に期待感がある。以前の循環バスの廃止の経緯を明らかにし、市民に期待される協議会にしてほしい。これについて本日は触れられなかったが、これからの審議で触れていければと思う。日高市の交通サービスの特徴として、病院の送迎があり非常に進んでいる。市内における大規模な病院に関しては、送迎サービスを実施しており、近所に住む90代の高齢者夫婦も使いこなしている。 武蔵台では近隣市のスーパーから送迎が来ており、多く人に利用されている。こうしたサービスをなくさないことも重要であり、そのための工夫の余地は多くある。

委員:皆さんが協議しているグランドデザインについて、運転手の立場から意見を言いたい。自社の運転手はほぼ毎日退職しており、コロナ禍においては百数十人退職しており、また、都内でさえも運行ダイヤの減便を余儀なくされるといった状況である。 こうした厳しい状況下において、日高市内の交通空白地でより良い市民生活を営めるよう、日高市でどんな方法があるのか、100%にすることは難しいが、100%にいかに近づけるか、委員の皆さんと検討したい。

委員:公共交通の再編に当たり、各自治体の身の丈に合った施策を選択し、導入しないと失敗する。埼玉県幸手市では新たにデマンドバスを地域に導入したものの、定時定路線に戻したという事例もある。先行事例の中でも良いところのみ参考にするのではなく、何が課題であるかの部分も情報収集すると良いと思う。また、SDGsの中で環境問題にも言及されているため、計画の中にも環境保全等の視点として入れると良い。 病院送迎の他、日高市内の大学でもバスを運行していることから、市内の多様な交通手段を総動員して市民の移動手段を確保することが重要と思う。 なお、この協議会委員には鉄道事業者が入っていないが、公共交通の大本の部分は鉄道であり、 枝葉の交通がバス・タクシーであるため、今後、鉄道事業者の声もヒアリングしてもらいたい。

委員:本協議会で扱う問題は、都市計画のアプローチのみでは解決できなかった課題との見方もできる。さまざまな分野の委員から貴重な意見をいただけることを期待しており、本協議会で議論した内容を担当分野である都市計画においても生かしたい。

委員:飯能市でも高齢者の移動手段の確保が課題となっている。そのためには公共交通の充実が必要であり、公共交通の維持のためには、若い世代を含めてさまざまな世代の人に利用してもらうことが必要となるため、広域的な視点から日高市にも協力していきたい。

委員:公共交通を検討するうえでは、安全であることが大前提である。継続的に交通事故の発生を防止し、守るべき規範から逸脱した状態を発生させないことも重要である。 日高市の特徴を生かし、継続的で利用し易い交通サービスを作っていければ良いと思う。

委員:日高市の現状として、例外なく人口減少と高齢化は進行している。そうした中、地域公共交通は、地域住民の身近な移動を支えていると共に、特に高齢者にとっては、通院・買い物・社会参加・介護にて必要不可欠であり、子育て世代にとっては、子どもの送迎等に必要不可欠であることを踏まえた検討が必要となる。会長からデマンド交通等の先行事例に関する話があったが、それを鑑みて、日高市内で持続的に発展できるような計画を策定できれば良いと思う。

委員:会長からの話題提供は大変勉強になった。一住民としては希望する場所・時間に、できるだけ安く移動したいという願望があるが、ドライバー等の担い手不足が深刻で一人一人の要望に応え難い厳しい状況にあるかと思う。地域の交通課題に対しては地域の交通資源を組み合わせて対応する以外に方法はないと思っているが、日高市に対して支援できる部分があれば良いと思う。

委員:市民アンケートや交通事業者へのヒアリングを通じて、意見や提案を取りまとめ、それらを可能な限り計画に反映して、持続可能な公共交通とすることを目標として進めていければと思っている。2024年問題については、悪者扱いのように捉えられてしまっているが、運転手の労働環境を改善することが目的であり、運転手の健康状態を保つことで、利用者の安全で安心な移動環境が担保されることは理解してほしい。

委員:タクシードライバーの高齢化が進んでいる。利用者とドライバーについても高齢化が進行しており、運送業全体として若い世代の雇用が集まらない状況にある。トラック業界も同様であるが、2024年問題のみならず、年2回の従業員の健康診断、年1回の車検等々、諸々の必要経費が掛かる。いかにしてタクシーを安全に運行し、利用者を安全・安心に送り届けられるかが重要だが、こうした問題からサービスの維持が難しくなりつつある。日頃の業務において、タクシー車両の稼働率が60%未満となる日もあるが、ただ一方で、利用者が多く配車が間に合わなくなり、利用者に数十分待ってもらう日もあるため、試行錯誤している。4月から各地でライドシェアも始まるが、県内にどの程度影響が及ぶのか注視している。国によると、ライドシェアは事業者がアプリで管理すると言うが、詳細は分かっていないのが現状である。可能な限り市に協力し、交通事業者として頑張りたい。

委員:日高市に必要なのは高齢者の移動支援であると思う。普段、ドライバーとして運転しているが、通院や買い物等は、免許返納後も必要との声を利用者との会話の中で多く耳にする。例えば、家からバス停まで歩けないといった声や、荷物を抱えて帰るのが大変といった声がある。それを鑑みて、利用者の家まで行き、目的地まで送り届ける移動サービスが今の日高には必要なのではと思う。その際には、まずは利用者に取り組みについて周知し、利用者が増加しないことには、タクシー会社の先行きが危うくなるため留意が必要である。運転免許の返納によってタクシー利用者が増える見込みであるが、高齢者によっては、免許返納後の移動手段の確保をどうしたらいいのか分からないという方は多く、これでは免許を返納できないという人も多い。そうした問題に対し、例えば、バス停までタクシーで行き、そこからバス、あるいは、病院までタクシーで行く等、交通手段を組み合わせることを考慮して議論できれば良い。

委員:会長より、交通事業者の経営努力だけでは交通サービスの維持が立ち行かないという話があった。地域の移動を支えなければならないという考えのもと、内部補填しながら進めているが、バス業界として、コロナの影響はじめ、燃料や物価の高騰、運転手不足等の大変な局面にある。毎年3,000万の赤字、今年度にあっては4,000万に及ぶ赤字の見通しである。こうした中、1日約7人で運行しており、運転士7人による輸送のために他の収益事業を取り止め、当該路線の運行継続している状況である。その結果、会社の収益状況が苦しくなっている。また、車両の代替もできていない状況となっている。計画の作成に当たり、交通事業者目線でもより一層良い状況となるように、市にも責任を負ってもらえるような支援施策の検討をお願いしたい。ときがわ町や東秩父村では、過疎地にてタクシーや有償運送で補填する等の工夫をしている事例もある。参考にしつつ、交通戦略部会等で知恵を出せればと思う。

委員:高麗川駅から武蔵高萩駅、こまニュータウンから高麗川駅のバス路線は、一見して利用者が多く利益が大きいと思われるが、現実はそうではない。それほどにバスを運行させることで利益を上げるのは大変である。運転手の人手不足を解消するために運転手の給料を上げたいが、運賃を200円から500円にしたら利用者は乗ってくれるかは分からない。この背景から、資金が足りないがためにバス会社として経営に行き詰っていることを理解いただきたい。デマンドバスやコミュニティバスに公費を投入しても、交通事業者の赤字だけが残されたままだと困る。既存公共交通が維持できているのは交通事業者が他から資金を調達しており、四苦八苦しながら運行しているためである。しかし、この方法は持続可能とは言えず、どこかでストップしてしまう。実際に、大阪府等では同様の事例を耳にしており、そうならないことを前提に、交通事業者として協議に応じていく。委員の皆さんとは、今ある交通をどう残すかと、これからの夢の2本立てで今後、議論ができれば良いと思う。

委員:こま武蔵台地区において、地域住民および民間企業と協働してまちづくりしていた経験があり、その経験を生かしつつ、現場の声を重視して話ができればと思う。 武蔵台では高齢化率が50%を占める。高齢者の中には、運転免許返納を検討しているが近隣の商業施設も撤退したことで、最寄りの商業施設が遠くなり、移動手段が確保できなくなることから、なかなか返納に踏み切れないといった話も聞く。通院は移動のモチベーションとして大きいが、それのみが外出ではない。地域公共交通計画の策定を通じて、病院だけではないさまざまな外出を促せるような仕組みをつくれると良く、また、病院にかかる前の社会的孤立や孤独を防げるような移動計画になると良い。

委員:地域公共交通計画として一つにまとめ上げることは一筋縄ではいかないが、日高市の意向としては、令和7年中には日高市の新しい公共交通の実証実験に踏み込みたいという強い意志を持っている。日高市については、市街化区域が狭く市街化調整区域が広い、家が連坦していない等の特徴がある。また、マイカー習慣が浸透していて、公共交通を利用する機会が少なくなっている。高齢化が進む中で、移動手段を自家用車から公共交通に転換する必要がある時期に来ている。既存の公共交通を担う交通事業者、交通空白地の市民の双方の話を聞き、日高市にとっての最適な姿を見出したい。しかし、時代に合わせて情勢やニーズは変わっていくため、不都合が生じたら柔軟に変更するというスタンスも重要であると思う。タイトな期間で議論するが、多様な意見から着地点を見つけていきたい。

その他

今後の予定について、事務局より説明。

[説明要旨]

第2回日高市地域公共交通協議会は、令和6年3月21日の午前10時から、高萩公民館多目的ホールにて開催予定。

なお、 交通戦略部会は、令和6年2月9日午後1時30分から、日高市役所503会議室にて開催予定である。

この記事に関するお問い合わせ先

危機管理課 交通安全・防犯担当 (本庁舎 3階)

郵便番号:350-1292 日高市大字南平沢1020番地
電話:042-989-2111(代表)
ファックス:042-989-2316
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更新日:2024年02月20日