有害鳥獣による被害を防ぐ!正しい防除対策
野生動物による農作物被害は年々増加し、近年では人里に慣れた個体が日中に住宅近くに出没するなど、人的被害についても発生する恐れが非常に高まっています。
市でも、イノシシ、アライグマ、ハクビシンの捕獲による個体数調整に取り組んでいますが、農作物被害は減少せず、住家付近まで出没している状況です。
野生動物を人里に近づけず、農作物被害を防止するためには、生態や対策について、正しい情報を知ることが大切です。

イノシシ食害(ジャガイモ)
アライグマ食害(スイカ)
主な有害鳥獣の特徴
区分 | 生態 | 繁殖 | 好物 |
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イノシシ |
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毎年4から6月頃に4、5頭を出産する。 | 木の実、根菜類、タケノコ、米、栗など |
ニホン ジカ |
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毎年5から6月までに1頭を出産する。 | 苗、若葉や新芽など柔らかい部分 |
アライ グマ |
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毎年4から6月までに3から6頭を出産する。秋に出産する個体もいる。 | トウモロコシ、スイカ、いちごなど |
ハクビシン |
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年間を通じて平均2、3頭を出産する。年1回とは限らない。 | ブドウ、トウモロコシ、いちごなど |
防除対策
被害防止柵(電気柵等)の購入費用を補助します【令和7年4月1日掲載】
イノシシ
侵入防止ネット
- 目合いの大きなものは作物を視認できるため、目合いの小さいネットを二重に設置するなど作物が視認できない工夫が必要。
- 隙間や穴などがあると強引に侵入しようとし、施設を破壊することがある。
- 下部を折り返して埋め込むなど、潜り込み対策が必要。
電気柵
- 正しく設置することで高い効果を得られる。
- 障害物を探る際に鼻を使用する習性を利用して、鼻先に通電させる。
- 感電した経験により近寄らなくなるため、通電していない状態の電気柵に触れた個体は、電線を怖がらず噛み切ることがある。
- 常時通電するとともに、草などで漏電しないようにメンテナンスを行う必要がある。
その他
ワイヤーフェンスなど金属製のフェンスで侵入を防止し、ベニヤやトタンで視認性を阻害することで被害が防止できることもある。
ニホンジカ
侵入防止ネット
- 目合いの大きなものは噛み切られたり、角が絡んで大規模に破壊されることがあるため、噛み切り対策をしたものか、5センチメートル以下の目合いのものを使用する。
- 2メートル程度の高さまで設置する必要がある。
- 隙間や穴などがあると強引に侵入しようとし、施設を破壊することがある。
- 下部を折り返して埋め込むなど、潜り込み対策が必要。
電気柵
- 正しく設置することで高い効果を得られる。
- 障害物を探る際に鼻を使用する習性を利用して、鼻先に通電させる。
- 感電した経験により近寄らなくなるため、通電していない状態の電気柵に触れた個体は、電線を怖がらず噛み切ることがある。
- 常時通電するとともに、草などで漏電しないようにメンテナンスを行う必要がある。
その他
障害物に接した場合、最初はくぐり抜けようとするため、飛越対策とともに、くぐり抜け対策も同時に実施する必要がある。
アライグマ・ハクビシン
侵入防止ネット
- 身体能力が高く、木登りや綱渡りが得意である。
- このため、周囲をネットで囲むだけでは足りず、上部も対策する必要がある。
- 立木からの飛び降りや支柱を登って侵入することがあるため、対策が必要。
電気柵
- 電気柵を設置する場合、段組の場合は間隔を狭める必要があり、広いとくぐり抜け、すり抜けてしまう。
- 障害物に接した際に、手や鼻で確認行為を行う習性を利用して感電させる。
- 侵入防止ネットで侵入を防止し、上部に設置した電気線に感電させ撃退する方法が高い効果を発揮する。
その他
アライグマ
- 原則捕獲を行うが、防除対策を施したうえで捕獲作業を行う必要がある。
- 住宅への侵入については、戸袋や軒下など隙間や壁が薄くなっているところから侵入するため、目張りや補強により対策する必要がある。
ハクビシン
住宅への侵入については、戸袋や軒下など隙間や壁が薄くなっているところから侵入するため、目張りや補強により対策する必要がある。
やぶや草むらをなくしましょう
日中は山の中で過ごしていた動物が、気づかれず(安全)に身を隠せる(安心)があると、日中もエサ場に近いやぶや草むらに身を潜めることがあります。人の近くで生活することで、人を怖がらない個体となることとなります。所有地の適切な管理と地域でやぶや草むらをなくす取り組みが効果的な防除対策となります。
エサ場をなくしましょう
山中のエサと比べ、畑の作物は栄養価が高くおいしいため、収穫後の残りかすや放置している野菜や果樹などは、人にとって不要なものでも動物たちにとってはごちそうです。
味を覚えた動物たちは、収穫間近の人にとって必要(楽しみ)な野菜や果樹を食べてしまいます。栄養状態がよくなり、繁殖率が上がることとなり、作物被害が増加してしまいます。
放置果樹や野菜を減らし、収穫後の残りかすを適切に処理することも防除対策となります。
もし有害鳥獣に出会ってしまったら
有害鳥獣は大変危険です。
もし出会ってしまった場合は、刺激をせずに、その場からゆっくり立ち去りましょう。
脅かしてしまうと興奮し、急に襲いかかってくることがあります。
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更新日:2025年04月01日