第2回日高市地域公共交通協議会の会議結果
会議結果は次のとおりです。
第2回日高市地域公共交通協議会会議録
日時
令和6年3月21日(木曜日)午前10時から正午まで
場所
高萩公民館多目的ホール
公開・非公開
公開
非公開理由
なし
出席者
久保田会長、金子職務代理、鈴木委員、山岸委員、小谷野委員、山下委員、中山委員、村上委員、原島委員、杉本委員、嶋田委員、杉山委員、藤田委員、美濃浦委員、江頭委員、守谷委員、長岡委員、田中委員、松尾委員、小嶋委員、後藤委員、鹿山委員、松川委員、坂巻委員、古本委員、野々宮委員、木村委員
欠席者
関根委員
説明員
危機管理課長、交通安全・防犯担当主幹、交通安全・防犯担当主任
事務局
総務部長、危機管理課長、交通安全・防犯担当主幹、交通安全・防犯担当主任
傍聴者
1人
担当部署
総務部 危機管理課 交通安全・防犯担当
議題および決定事項等
1.議事
- 市民アンケート調査結果について
- 市内地域公共交通等の実態について
- 日高市の地域公共交通の課題と今後の施策事業の方向性について
2.報告事項
- 高齢者等おでかけ支援事業およびマタニティタクシー利用料金助成事業の見直しについて
3.その他
会議資料等
資料1 前回協議会のふり返りと交通戦略部会の報告 (PDFファイル: 432.1KB)
資料2 市民アンケート調査結果報告 (PDFファイル: 3.9MB)
資料3 市内地域公共交通の実態 (PDFファイル: 8.0MB)
資料4 市内循環バス「せせらぎ号」の導入・廃止の経緯について (PDFファイル: 2.8MB)
資料5 日高市の地域公共交通の課題と今後の施策事業の方向性 (PDFファイル: 679.8KB)
資料6-1 高齢者等おでかけ支援事業(タクシー利用補助)について (PDFファイル: 120.9KB)
資料6-2 マタニティタクシー利用料金助成事業について (PDFファイル: 124.9KB)
参考資料 日高市バス乗降人数調査結果報告 (PDFファイル: 7.5MB)
参考資料 日高市市民アンケート調査結果 (PDFファイル: 11.5MB)
参考資料 令和5年度日高市地域公共交通協議会第1回交通戦略部会開催結果(委員意見抜粋) (PDFファイル: 478.9KB)
会議の経過
日高市地域公共交通協議会条例(以下:条例)に基づき、久保田会長が議長となり、会議進行を務めた。
本日の報告事項と前回協議会および部会の振り返りについて
資料1に基づき事務局より説明。
[説明要旨]
本協議会における意見交換のポイントに加えて、前回協議会および交通戦略部会での会議内容を確認した。
審議事項
議案1 市民アンケート調査結果について
資料2に基づき事務局より説明。
[説明要旨]
市民の移動実態、公共交通等の利用状況・ニーズ等を把握するために実施した「市民アンケート 調査」の結果概要を報告した。
[質疑・意見]
委員:資料2の14ページで、約8割の人が年に数回以上、鉄道を利用しているという分析がある。正しいことではあるが、全く利用しない人と年に数回以下しか利用しない人を合計すると、バスが73パーセント、鉄道が57パーセント、タクシーが91パーセントとなる。つまり、この割合の人たちは年に数回以下、月に1回も利用しないということであり、それほど使われていないのが実情である。事実は事実として捉えることが重要と思う。バスも鉄道も当然運行していないところでは使えないので、年に一度も利用しない人が多く存在することは仕方のないことである。
資料2の18ページでは、公共交通を利用したくない理由として、利用したい時に利用できないことや、タクシー運賃が高いことが挙げられている。タクシー運賃が高いのは金銭面での問題であり、利用料金の補助等で解決するのが一つの方法であるが、利用したい時に利用できないというのは、金銭的なもので解決できるものではなく、運行本数がどの程度になれば使うかという問題がある。普段、バスを全く利用していない人は、山手線レベルの運行本数でないと利用してもらえないかもしれない。その場合には、現状の運行本数の20倍程度は必要となり、選択肢として現実的ではない。
そのため、基本的には、今ある公共交通に自分の生活を合わせなければ、公共交通を使ってもらうことは難しい。このような不満を解消することが重要なのか、それとも別のアプローチを考えるのか、検討を進める必要がある。
日高市の移動支援施策は、高齢者に対する支援など、他自治体と比べてさまざまな事業に取り組んでいる。ボランティアの力も借りながら地元で何とかしようという活動が充実しているが、「使われていない・知られていない」ということが最大の問題となっている。市民全員に知られるくらいまで知名度が上がると、今より暮らしやすいまちが実現できるのではないかと思う。
議案2 市内地域公共交通等の実態について
資料3に基づき、事務局より説明。
[説明要旨]
バス乗降調査結果の加えて、公共交通の整備状況、日高市が実施する公共交通促進事業等の概要を説明するとともに、関係機関等とのヒアリング結果を報告した。
[質疑・意見]
委員:資料3の30ページでは、病院による送迎サービスの利用者が多いと記載されているが、関連してスーパーマーケットでも独自にバスを運行している。利用者も多いと聞いているので、民間事業者の送迎サービスの利用状況を把握し、連携するかしないかを検討したほうが良いのではないかと思った。スイミングスクールでは独自でバスを運行し、小学校の前まで来てくれるのでそれで通学している人もいると聞いている。そういった観点も検討に含めるべきではないか。
また、自身は「こま武蔵台」のまちづくりに関わってきた。こま武蔵台では、昨年まで、グリーンスローモビリティ(ゴルフカート)を使った新しい交通の社会実験を3回程度実施している。今回の協議会まで、同取り組みに関する紹介や、今後の展開の可能性に関する議論がなかったが、せっかく国の研究機関が音頭を取り、国際興業株式会社も協力して実施されていたので、検討材料として扱うことが望ましいのではないか。
事務局:1点目のスーパーマーケットの話については、事務局としてもヒアリングを通じて、把握したいと考えている。スイミングスクールとの連携については、これまでに想定はしていなかったが、今後検討したい。
2点目のこま武蔵台で実施されたグリーンスローモビリティ実証実験については、地区内での移動を支援する取り組みとして市としても承知している。当時の検証結果等の活用等も含めて、今後、関係者に話を聞くことも検討したい。
委員:過去に小学校のPTAと連携して、子どもたちにアンケートを実施した際に、子どもの習い事に関する移動の多くが、親の送迎によって支えられている実態が分かっている。市民アンケートの中でも若い世代にとって、送迎が負担になっているということも実態としてあることから、バスと連携できるとお互いWin-Winの関係になるところがあるのではないか。
グリーンスローモビリティの検討に関する回答についても承知した。国においてもアンケート調査等を行っているため、併せて確認してみると良いのではないか。
会長:今後の施策事業の検討に含めてもらえればと思う。
委員:資料3の24ページから27ページで説明のあった、高齢者等おでかけ支援事業について、支援の内容がバス利用補助またはタクシー利用補助のいずれかを選択する制度となっているが、バスおよびタクシーの両方の利用補助を組み合わせて利用したいという需要はないのか。27ページのタクシー利用補助の利用実態では、長距離を移動している人が多いが、タクシーは運賃設定のハードルが高いという結果もあった。現在の支援内容は1回の乗車につき初乗り運賃が補助されるということだが、例えば 埼玉医科大学に行きたい人に対して、「埼玉医科大学に何時に着くバスで行けるように最寄りのバス停までタクシーで行きましょう」といったように、両方の手段を組み合わせられるとよいのではないか。
また、資料3の5ページでは、主に東部地域で目的地まで公共交通で行けないケースが多いとあったが、27ページのタクシー利用補助の実態を見ると、必ずしも、そのような地域でタクシーの利用者が多いというわけではなく、ニーズがないのかと感じたが、理由があれば教えていただきたい。
事務局:1点目であるが、高齢者等おでかけ支援事業について、バスおよびタクシーの組み合せの需要を窓口で市民にお話を伺っていると、多くはないが聞くこともある。現在、市内のバス路線は限られているため、バスが利用できる地域でのバス利用補助に対する需要が多い。
一方で、タクシーについては、市内で稼動している台数も限られている中、配車が間に合わない時間帯もある。
そのため、自分の地域内で利用の勝手が良い移動手段を利用者に選んでいただいている。
ただし、市民からの要望もあることから、協議会において新しい交通手段の検討を行う際に、おでかけ支援事業の中身についても、見直しに向けた検討の余地があると感じている。
2点目については、資料3の5ページの灰色の着色部分は、バス・鉄道の利用ができない地域に限っており、タクシーの利用は想定していない。そのため、5ページの灰色の着色部分と27ページのタクシー利用補助の利用実態は整合しない。
会長:資料3の27ページにおいて、図中の灰色着色地域(目的地への移動が困難な地域)で、タクシーがあまり使われていないという指摘ではないか。
委員:灰色着色地域(目的地への移動が困難な地域)について、タクシーを利用される人は多いと感じる。しかし、高齢者等おでかけ支援事業が利用できるのは、75歳以上からということと、事業を知らない人が多いということで、このような結果に繋がっているのではないかと思う。75歳以上の人に対して、市に申請することで、高齢者等おでかけ支援事業を利用できると伝えているが知らない人が多い。
また、乗車運賃がかかるので近所の知り合いにお願いする人もいる。
なお、このエリアについては狭山市のタクシー会社の営業範囲でもあることから、大谷沢地区などでは、タクシーを使って池袋病院(川越市)に通われている人は多い。
委員:公共交通で目的地への訪問が難しい地域を「行ける・行けない分布図」に落とし込むと大きな問題に見えるが、その地域で実際に買物や病院に行きたい人が何人いるのかという量的な視点が一番大事になる。目的地に行けない地域があることは分かったが、需要が1人の地域では1人を救えば終わりだが、需要が1,000人の地域では解決方法が違ってくるので、量が重要となる。
交通空白地は、各自治体での地域公共交通会議でも必ず出てくる話題である。交通空白地が存在すると、「埋めたほうが良い」という話になりがちであるが、埋めるのは交通事業者にとっては非常に大変なことである。鉄道駅から徒歩 800メートル、バス停から徒歩300メートル圏内として、交通空白地から外れた地域を全部埋めるという議論の方向になると、手間もお金もかかる。結果、手間とお金をかけて作った交通機関を誰も使わないという事態になる。交通空白地であることは確かだが、埋めるだけではなく、どういう需要があって、どうやって救うかを含めて考えていかないといけない。
次に、バスの利用状況調査結果は、市が調査員を用意して実施されており、公表されても仕方のないものだが、実はバス会社としては公表されることは非常に困る。なぜかというと、どの区間が儲かっているかがすぐに分かるためである。どこの区間が儲かっていることが分かると、バスは規制緩和されているため、その区間だけ運行する事業者が出てくる可能性がある。
市民ではない人に多く乗ってもらっているのは悪いことではなく、市民ではない人たちが市の交通を支えてくれることを事実として認める必要がある。日高市の場合、市民だけをターゲットにしない移動支援施策を考えていかなければ、だれも利用しない路線ができてしまうことにもなりかねない。
会長:資料3の6ページにある大字別の高齢者人口分布をベースに、どの地区でどの程度の利用者がいるということを図に落とし込むと、単に交通空白地だから交通を埋めようといった議論にならないと思う。
議案3 日高市の地域公共交通の課題と今後の施策事業の方向性について
資料4および資料5に基づき、事務局より説明。
[説明要旨]
市内循環バスの廃止に至った経緯を報告するとともに、市内公共交通の課題を踏まえた施策事業の体系を構築し、補完施策の検討を進めるうえでの考えかたを説明した。
報告事項
(1)高齢者等おでかけ支援事業およびマタニティタクシー利用料金助成事業の見直しについて
資料6-1および6-2に基づき、事務局より説明。
[説明要旨]
高齢者等おでかけ支援事業およびマタニティタクシー利用料金助成事業における乗車1回あたりの利用枚数の制限緩和(2枚まで利用可能)を行うため、制度内容、利用実績および緩和により見込まれる効果等を説明した。
[質疑・意見]
質疑・意見なし
その他
鈴木委員より、東京都足立区の事例紹介を受けた。また、山岸委員から路線バスの減便に関する報告を受けた。
[事例紹介要旨(鈴木委員)]
足立区でコミュニティバスのような形で4年程実施していたが、令和6年3月22日に運行終了することが公表されているので紹介したい。
一度始めたものをやめるのは、大変な苦労で、試行錯誤して10年も20年も実証実験している事例がたくさんあるが、足立区の場合は目的が達成できないのでやめるという決断をした。もしかしたら、やめる方法を最初に決めていたのかもしれないが、決断できることは手本とすべきことである。 実際の利用者数が想定より大幅に少なく、当初はアンケート調査結果に基づき、年間26万人程度の利用者を想定して運行を開始したが、実際には8万7千人であった。利用者へのアンケート調査等で、「あったら使いますか」と聞くと「使います」という回答しか返ってこない。アンケート 調査結果に基づく予測は解釈の仕方が重要になる。都内では70歳を超えていると、シルバーパスが購入できる。
足立区の実証実験では、途中からシルバーパスの利用を不可とするルールを設定し、1回につき110円で乗れるようにしたが、その結果、利用者が60パーセント強減少した。運賃設定の重要性が確認できる結果である。
足立区では、バスの導入ありきで検討を開始した点を反省点として挙げている。
つまり、需要と最適な交通機関を検討する前にバスで運用することを決めていた。その結果、バスではない手段で解決できる可能性に関する視点が抜け落ちてしまい、結果的に乗らないバスを走らせることとなった。
[説明要旨(山岸委員)]
弊社の路線バスについて、慢性的な乗務員不足、2024年問題による運転者の労働環境の改善という観点から、4月1日よりダイヤ改正および一部運行便の減便、廃止、時刻の繰り上げを実行する。
朝の通勤通学時間帯は同様の現状維持になるが、日中は利用者の少ない便を集約し、減便という形を一部取らせていただく。2014年から武蔵高萩駅、高麗川駅から高麗川団地の高台まで運行していた「おでかけサポート便」については、系統廃止させていただくこととなった。
夕方以降の便の減便については、運転者の拘束時間の影響もあり、減便せざるを得ない。
武蔵高萩駅発については、平日の最終便が午後11時6分であったところ、午後10時46分に約20分の繰り上げとなる。
高麗川駅発については、午後9時6分発が午後8時34分発に、飯能駅北口発については、平日最終便が午後10時24分発から午後10時3分発にそれぞれ変更となる。詳細については、イーグルバスのホームページをご参照いただきたい。
閉会
今後の予定について、事務局より説明。
[説明要旨]
令和6年度の協議会等についての日程を調整しており、開催にあたっては、別途、各委員に対して通知する。
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更新日:2024年07月24日