令和6年度日高市の河川水質・水生生物分析調査結果

調査目的

本調査は、3年に一度、市民の健康と生活環境および自然環境の保全に資するため、河川の現状を把握することを目的としています。

調査地点・調査時期

市内の河川10か所について、増水期(7月)と渇水期(1月)の年2回、水質の調査を実施します。また、そのうちの5か所について、増水期(7月)に、水生生物(底生生物)についての調査を併せて実施しました。

河川水質・水生生物分析調査箇所
河川名称 河川水質調査(箇所) 水生生物調査(箇所)
高麗川 3 2
宿谷川 1 1
小畔川 3 1
下小畔川 1 調査なし
第二小畔川 1 調査なし
南小畔川 1 1
合計 10 5

水質調査結果

水質調査結果(増水期)令和6年7月24日・25日

水質調査結果(渇水期)令和7年1月22日

水生生物調査結果(底生生物)令和6年7月24日・25日

調査結果から

水質調査

第1回目:増水期調査

第1回目(増水期)の調査では、水素イオン濃度(pH)が高麗川の諏訪橋上流と高麗川橋下流地点の2か所で環境基準を超過していました。要因として、調査当日のDO(溶存酸素量)と水温から酸素飽和率を求めたところ、過飽和となっていた。調査地点周辺で水性植物の光合成が活発に行われたことが、pH上昇の原因と考えられます。

次に、大腸菌数が高麗川の平谷川合流点下流と宿谷川の鳥ケ谷戸橋下流地点で環境基準をのは2箇所、環境基準を超過していました。大腸菌群数が高くなる要因としては、生活排水等のし尿を含む排水の影響が考えられます。

その他の項目では、全ての環境基準に適合していました。

第2回目:渇水期調査

第2回目(渇水期)の調査では、生物科学的酸素要求量(BOD)が南小畔川の神流橋上流で環境基準に不適合でした。要因として、渇水期のため水量が減少していたことから上流部から流入した生活雑俳水等の影響が大きいと考えられます。

次に、大腸菌群数は宿谷川の鳥ケ谷戸橋下流で環境基準を超過していました。渇水期のため、川遊びや田からの流入がない時期のため、生活雑俳水による影響が考えられます。

次に、全亜鉛は小畔川の境橋上流地点で環境基準を超過していました。亜鉛はシャンプーなどに含まれているため、生活雑俳水が河川に流入したと考えられます。また、渇水期は河川の水量が減少することから生活排水の割合が相対的に増え、亜鉛の濃度が上昇したためと考えられます。

その他の項目については、環境基準に適合していました。

水生生物調査

本年度の水生生物の確認分類群数は、全体で4門8綱20目44科89種が確認されました。

各調査地点の確認分類群数は、高麗川(諏訪橋上流)41種、高麗川(高麗川橋下流)36種で、宿谷川(鳥ヶ谷戸橋下流)35種、小畔川(中田橋下流)26種、南小畔川(神流橋上流)24種でした。

生物学的水質判定の結果は、いずれの調査地点も「osからβm」で、おおむね良好な水質であると判定されました。

河川別の経年変化をみると、高麗川は「os」または「osからβm」、宿谷川では「os」または「osからαm」、小畔川では「osからβm」や「βm」または「αm」、南小畔川では「osからβm」または「βm」という判定結果から一時的に水質汚濁が進行した可能性を示す年もみられますが、その後は水質改善の傾向を示しています。

「埼玉県レッドデータブック2018 (動物編)」に記載されている種のうち、本調査で確認された貴重種では、絶滅危惧種2類のナベブタムシ、キベリナガアシドロムシ、準絶滅危惧種1型のヒメサナエ、マスダチビヒラタドロムシ、準絶滅危惧種2型ムナグロナガレトビケラ、絶滅の恐れがあるナミウズムシの計6種の生息が高麗川諏訪橋上流でのみ確認されました。

  • os…貧腐水性水域:きれいな水
  • βm…β中腐性水域:少し汚れた水
  • αm…α中腐性水域:汚い水
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更新日:2025年07月03日