令和3年度日高市の河川水質・水生生物分析調査結果
調査目的
本調査は、市民の健康と生活環境および自然環境の保全に資するため、河川の現状を把握することを目的としています。
調査地点・調査時期
日高市内の河川10か所について、増水期(7月)と渇水期(1月)の年2回、水質の調査を実施します。また、そのうちの5か所について、増水期(7月)に、水生生物(底生生物)についての調査を併せて実施しました。
河川名称 | 河川水質調査(箇所) | 水生生物調査(箇所) |
---|---|---|
高麗川 | 3 | 2 |
宿谷川 | 1 | 1 |
小畔川 | 3 | 1 |
下小畔川 | 1 | 調査なし |
第二小畔川 | 1 | 調査なし |
南小畔川 | 1 | 1 |
合計 | 10 | 5 |
河川水質調査地点位置図 (PDFファイル: 607.4KB)
水生生物調査地点i位置図 (PDFファイル: 502.3KB)
水質調査結果
水質調査結果(増水期)令和3年7月19日から20日まで
水質調査結果(渇水期)令和4年1月18日
水質調査結果(渇水期) (PDFファイル: 121.7KB)
水生生物調査結果(底生生物)令和3年7月19日
調査結果から
水質調査
第1回目:増水期調査
pH(水素イオン濃度指数)、BOD(生物化学的酸素要求量)、SS(浮遊物質量)、DO(溶存酸素量)、全亜鉛、ノニルフェノールは全ての地点で環境基準に適合していました。
大腸菌群数は全ての地点で環境基準を超過していました。
大腸菌群数が高くなる要因としては、生活排水等のし尿を含む排水の影響が考えられます。その地に家畜の糞尿や土壌中等、自然界に生息する菌が多く存在しています。
第2回目:渇水期調査
pH(水素イオン濃度指数)、SS(浮遊物質量)、DO(溶存酸素量)、全亜鉛、ノニルフェノールは全ての地点で基準に適合していました。
大腸菌群数は宿谷川(鳥ケ谷橋下流)、小畔川(境橋上流、中田橋下流)および南小畔川(神流橋上流)で環境基準に不適合でしたが、その他の地点については基準に適合していました。
大腸菌群数が高くなる要因としては、生活排水等のし尿を含む排水の影響が考えられます。その地に家畜の糞尿や土壌中等、自然界に生息する菌が多く存在しています。
BODは、南小畔川神流橋上流で環境基準を超過していました。その他の地点では、環境基準を満たしていました。
BODは、河川水や工場排水、下水などに含まれる有機物による汚濁の程度を示すもので、水の中に含まれる有機物が微生物によって生物化学的に酸化されるときに消費される酸素の量をいい、数値が大きいほど汚濁の程度が高くなります。南小畔川の神流橋上流の環境基準不適合は、上流部にある市街地や事業場などの流入水による影響が考えられます。
水生生物調査
今年度の水生生物の確認分類群数は、全体で4門7綱14目36科83種が確認されました。
各調査地点の確認分類群数は、高麗川(諏訪橋上流)が25種、高麗川橋下流が53種で、両地点間に大きな開きが見られました。宿谷川(鳥ヶ谷戸橋下流)が32種、小畔川(中田橋下流)が23種、南小畔川(神流橋上流)が34種でした。
生物学的水質判定の結果は、いずれの調査地点も「osからβm」で、おおむね良好な水質であると判定されました。
河川別に経年変化をみると、高麗川(諏訪橋上流、高麗川橋下流)は「os」もしくは「osからβm」と判定されることが多く、良好な水質を維持していると考えらえます。宿谷川(鳥ケ谷橋下流)は以前「os」と判定されることが多かったのですが、近年は「βm」「osからαm」と判定され、汚濁が進行する傾向にありましたが、今年度の調査では「osからβm」と判定され、水質が改善される傾向にありました。小畔川(中田橋下流)の測定結果が「os」と連続する時期もありましたが、近年は「os」もしくは「osからβm」と判定され、水質が改善される傾向にありました。南小畔川(神流橋上流)では、かつては、「βm」と判定されることが多く、近年は「osからβm」と判定されることが多く、水質はわずかに改善される傾向があります。
注目すべき種については高麗川(諏訪橋上流)でヒメサナエ、ナベブタムシ、マスダチビヒラタドロムシの3種、高麗川橋下流がヒラマキミズマイマイ、ヒメサナエ、ナベムタムシ、タイリククロスジヘビトンボ、ムナグロナガレトビケラの5種でした。宿谷川(鳥ケ谷橋下流では、コバントビケラの1種、小畔川(中田橋下流)では、マスダチビヒラタオロムシの1種が確認されました。南小畔川(神流橋上流)では注目すべき種は確認されませんでした。
「埼玉県レッドデータブック2018 (動物編)」に記載されている種のうち、本調査で確認された注目すべき種はヒラマキミズマイマイ、ヒメサカエ、ナベブタムシ、タイリククロスジヘビトンボ、ムナグロナガレトビケラ、コバトントビケラおよびマスダチビヒラタドロムシの計7種が確認されました。いずれの種も今後の動向に大して注視していく必要があると考えられます。
各調査地点別にみると、高麗川(諏訪橋下流)でヒメサナエ、ナベブタムシ、マスダチビヒラタドロムシの3種、高麗川橋下流ではヒラマキミズマイマイ、ヒメサカエ、ナベブタムシ、タイリククロスジヘビトンボ、ムナグロナガレトビケラの5種と高麗川で多く確認されました。また、宿谷川(鳥ケ谷戸橋下流)ではのコバントビケラの1種、小畔川(中田橋下流)ではのマスダチビヒラタドロムシの1種と注目すべき種が確認されましたが、南小畔川では注目すべき種は確認されませんでした。
- os…貧腐水性水域:清水に近いきれいな水
- βm…β中腐性水域:やや清水に近い水
- αm…α中腐性水域:やや汚れた水
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更新日:2023年03月28日