文化財ニュース 宮久保遺跡の発掘調査【令和5年12月13日掲載】
文化財を適切に保存し、次の世代へ引き継いでいくため、日々文化財の調査を進めています。
近年実施した文化財の調査や遺跡の発掘調査について紹介します。
宮久保遺跡
宮久保遺跡は日高市南東部の大谷沢、下大谷沢地内に所在し、南小畔川左岸に立地している遺跡です。これまでの調査の結果、縄文時代の竪穴住居跡、奈良・平安時代の竪穴住居跡、掘立柱建物跡や道路跡などを検出しています。
今回は令和4年度に実施した19次調査の様子を紹介します。
検出した2軒の竪穴住居跡
出土した須恵器の坏
19次調査では、奈良・平安時代の竪穴住居跡を2軒調査しました。2軒の竪穴住居跡は重なり合っていて、1軒の竪穴住居が使われなくなり、その住居が埋まったあと、ほとんど同じ場所に新しく竪穴住居を建てたことが分かりました。
住居跡からは当時の人々が使用した、土師器(はじき)の甕(かめ)や須恵器(すえき)の坏(つき)などの土器が出土しました。甕は今の鍋にあたる土器で、坏は茶碗や皿にあたる土器です。甕で食べ物を煮炊きし、ご飯やおかずを坏に盛り付け食べていました。
更新日:2023年12月13日