介護保険利用者の負担
利用者の負担
原則として、利用したサービスの1割を自己負担します。ただし、65歳以上(第1号被保険者)で一定所得以上の人は、自己負担が利用したサービスの2割または3割になります。
負担割合 | 対象者 |
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1割負担 |
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2割負担 |
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3割負担 |
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要介護・要支援認定を受けた被保険者には、利用者の負担割合を示す「介護保険負担割合証」が発行されます。有効期限は8月1日から翌年7月31日までとなります。介護サービスをご利用になるときは、必ず負担割合証をサービス事業所に提示してください。
在宅サービス
介護状態区分に応じて支給限度額(サービス利用費用の上限)が定められています。その範囲内でサービスを利用する場合は、自己負担は1割から3割までです。ただし、支給限度額を超えて利用したサービス費用分は、全額自己負担となります。
要介護状態区分 | 支給限度の単位 |
---|---|
要支援1 | 5,032単位 |
要支援2 | 1万531単位 |
要介護1 | 1万6,765単位 |
要介護2 | 1万9,705単位 |
要介護3 | 2万7,048単位 |
要介護4 | 3万938単位 |
要介護5 | 3万6,217単位 |
サービスの種類などによって、1単位の単価が違います。
施設サービス
施設サービス(短期入所を含む)を利用した場合の負担額は、サービス費用の1割から3割、居住費、食費、日常生活費が自己負担となります。
負担限度額の認定
所得が低い人(利用者負担段階が第1段階から第3段階に該当する人)には、施設利用に対する自己負担(居住費・食費)に限度額が定められています。負担限度額の適用を受けるためには申請が必要です。
令和3年8月より認定の要件および負担限度額が以下のとおり変更となります。
負担限度額の認定の要件(令和6年7月まで)
利用者負担段階 | 対象者 |
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第1段階 |
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第2段階 |
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第3-1段階 |
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第3-2段階 |
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預貯金 |
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利用者負担 段階 |
居住費の 負担限度額 (ユニット型 個室) |
居住費の 負担限度額 (ユニット型 個室的多床室) |
居住費の 負担限度額 (従来型個室) |
居住費の 負担限度額 (多床室) |
食費 |
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第1段階 | 820円 | 490円 | 490円 (320円) |
0円 | 300円 |
第2段階 | 820円 | 490円 | 490円 (420円) |
370円 | 390円 【600円】 |
第3-1段階 | 1,310円 | 1,310円 | 1,310円 (820円) |
370円 | 650円 【1,000円】 |
第3-2段階 | 1,310円 | 1,310円 | 1,310円 (820円) |
370円 | 1,360円 【1,300円】 |
負担限度額の認定の要件(令和6年8月から)
利用者負担段階 | 対象者 |
---|---|
第1段階 |
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第2段階 |
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第3-1段階 |
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第3-2段階 |
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預貯金 |
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利用者負担 段階 |
居住費の 負担限度額 (ユニット型 個室) |
居住費の 負担限度額 (ユニット型 個室的多床室) |
居住費の 負担限度額 (従来型個室) |
居住費の 負担限度額 (多床室) |
食費 |
---|---|---|---|---|---|
第1段階 | 880円 | 550円 | 550円 (380円) |
0円 | 300円 |
第2段階 | 880円 | 550円 | 550円 (480円) |
430円 | 390円 【600円】 |
第3-1段階 | 1,370円 | 1,370円 | 1,370円 (880円) |
430円 | 650円 【1,000円】 |
第3-2段階 | 1,370円 | 1,370円 | 1,370円 (880円) |
430円 | 1,360円 【1,300円】 |
- 住民票上、世帯の異なる配偶者が住民税非課税であること。
配偶者には世帯分離をした人、婚姻届を提出していない内縁関係の人も含まれます。
ただし、DV防止法における配偶者からの暴力を受けた場合や、行方不明の場合は対象外です。 - 預貯金に含まれるものは資産性があり、換金性が高く、価格評価が容易なものが対象となります。
例えば、普通預金、定期預金、投資信託、株式・国債・地方債・社債などの有価証券、金・銀などの購入先の口座残高により時価評価額が容易に把握できる貴金属などです。価格評価は、申請日の直近2か月以内の写し等により行います。 - 収入算定される非課税年金は、遺族年金、障がい年金です。
- 従来型個室の( )内の金額は、介護老人福祉施設に入所した場合または短期入所生活介護を利用した場合の金額です。
- 食費の【 】内の金額は、短期入所生活介護または短期入所療養介護を利用した場合の金額です。
特例減額措置
本人または世帯員(同一世帯に属していない配偶者を含む)が、住民税を課税されている場合は利用者負担第4段階となり、「負担限度額認定」は適用となりません。
しかし、高齢夫婦等の世帯で、どちらかが施設に入所し、食費・居住費を負担した結果、他の世帯員が生計困難となる場合には、特例減額措置として第3-2段階の利用者負担軽減が受けられます。
対象者の要件
次の1から6までの全てを満たしていることが必要となります。
- 本人の属する世帯の構成人数が2人以上であること(同一世帯に属していない配偶者も世帯員として数える。以下2以降も同様。施設入所のために世帯分離した場合においては従前の世帯に準ずる)
- 介護保険施設および地域密着型介護老人福祉施設に入所・入所予定で、利用者負担第4段階の食費・居住費を負担している、または負担する予定である
- 全ての世帯員の年間収入から施設の利用者負担(1割から3割の利用者負担額、食費、居住費)の見込み額を除いた額が80万円以下である
- 全ての世帯員の保有している現金、預貯金等の総額が450万円以下である(有価証券、債券なども含む)
- 全ての世帯員がその居住の用に供する家屋、その他日常生活のために必要な資産以外に、利用しうる資産を有していない(貴金属等)
- 介護保険料を滞納していない
特例減額措置の適用を受けるには
申請が必要になります。申請書の提出は長寿いきがい課の窓口、もしくは郵送でも受け付けます。
【申請に必要なもの】
- 介護保険負担限度額認定申請書
- 市民税課税世帯における食費・居住費の特例減額措置に係る資産等申告書
- 入所し、または入所する予定の施設における施設利用料、食費および居住費について記載されている契約書などの写し
- 所得証明書、源泉徴収票、年金支払通知書、確定申告書の写し、その他収入を証する書類
- 最新の記帳をした、銀行口座等通帳の写し
(注釈)通帳を開いた1ページ目(銀行・支店・口座番号・名義人が確認できるページ)、最後の印字ページ(最新の記帳をした後で、残高が記載されているページ)
高額介護サービス費の支給
1か月に支払った自己負担額が利用者負担段階に定める上限額を超えた場合(同じ世帯に複数の利用者がいる場合には、世帯合計額)は、申請により超えた分の費用が払い戻されます。なお、福祉用具購入費・住宅改修費の負担は自己負担額の計算に含まれません。高額介護サービス費の支給を受けるためには申請が必要です(初回のみ)。該当になった人には、申請書をお送りします。
令和3年8月より自己負担上限額が以下のとおり変更となります。
高額介護サービス費の支給の詳細
対象者 | 上限額 |
---|---|
生活保護受給者等 | 月額1万5,000円(個人) |
世帯全員が住民税非課税で、老齢福祉年金受給者 世帯全員が住民税非課税で、前年の合計所得金額と課税年金収入額の 合計が80万円以下の人 |
月額1万5,000円(個人) 月額2万4,600円(世帯) |
世帯全員が住民税非課税であって、上記以外の人 | 月額2万4,600円(世帯) |
下記以外の住民税課税世帯 | 月額4万4,400円(世帯) |
年収約383万円以上770万円未満の人 | 月額4万4,400円(世帯) |
年収約770万円以上1,160万円未満の人 | 月額9万3,000円(世帯) |
年収約1,160万円以上の人 | 月額14万100円(世帯) |
上限額欄に記載されている「世帯」は、住民基本台帳上の世帯員で、介護サービスを利用した人全員の負担額合計の上限を指し、「個人」は介護サービスを利用した本人の負担額の上限を指します。
高額医療・高額介護合算療養費
医療や介護に支払った金額がそれぞれ自己負担額を超えたとき、医療は「高額療養費」、介護は「高額介護サービス費」として限度額を超えた分が支給されます。さらに、その自己負担を軽減するために、同じ世帯で医療費と介護サービス費の両方の自己負担額が高額になった場合、両方の制度の限度額を適用後、自己負担額を合算して下表の負担限度額を超えた場合に、超えた分が支給されます。
計算期間は、毎年8月1日から翌年7月31日までの12か月間です。
ただし、ご家族がそれぞれ異なる医療保険に加入している場合は合算できません。
給付を受けるには、申請が必要です。
高額医療・高額介護合算療養費の自己負担限度額(年額)
区分(基礎控除後の総所得金額等) | 限度額 |
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901万円超 | 212万円 |
600万円超から901万円以下 | 141万円 |
210万円超から600万円以下 | 67万円 |
210万円以下(住民税非課税世帯を除く) | 60万円 |
住民税非課税世帯 | 34万円 |
所得区分 | 自己負担限度額 |
---|---|
現役並み所得者(課税所得690万円以上の人) | 212万円 |
現役並み所得者(課税所得380万円以上690万円未満の人) | 141万円 |
現役並み所得者(課税所得145万円以上380万円未満の人) | 67万円 |
一般 | 56万円 |
住民税非課税世帯 | 31万円 |
住民税非課税世帯(一定の基準に該当の人) | 19万円 |
上記の所得区分の対象は、以下のとおりです。
- 現役並み所得者…同一世帯に課税所得145万円以上の所得がある70歳以上の人(例:単身世帯の場合(年金+給与収入)年収383万円以上、2人以上世帯の場合(年金+給与収入)年収520万円以上)
- 住民税非課税世帯…世帯全員が住民税非課税の世帯
- 住民税非課税世帯(一定の基準に該当の人)…世帯全員が住民税非課税で、世帯の各収入から必要経費・控除を差し引いたときに所得が0円になる人(年金収入のみの場合80万円以下の人など)
- 一般…上記以外の人
- 基礎控除後の総所得金額等(旧ただし書き所得)=前年の総所得金額等-住民税基礎控除額
世帯収入の合計額が520万円未満(単身世帯の場合は383万円未満)の世帯で基準収入額の申請をした場合、「旧ただし書き所得」の合計額が210万円以下の場合も含みます。
前年の総所得金額等とは、前年の総所得金額のほか、山林所得金額、株式・長期(短期)譲渡所得金額などの合計です。ただし、退職所得は含まず、雑損失の繰越控除は控除しません。
低所得の障がい者のための負担軽減
一定の要件を満たした人が、障がい福祉サービスに相当するサービスを介護保険で利用する場合、償還払いにより利用負担分が軽減されます。
要件
- 介護保険サービスに相当する障がい福祉サービス(居宅介護、生活介護等)に係る支給決定を65歳に達する前に5年間引き続き受けていた人
- 障がい福祉サービスに相当する介護保険サービス(訪問介護、通所介護等)を利用する人
- 障がい支援区分2以上であった人
- 住民税非課税の人または生活保護受給者
- 65歳に達するまでに介護保険法による保険給付を受けていない人
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更新日:2024年04月01日