下水道だより(7)経費回収率とは【令和7年1月1日掲載】
下水道事業の経営指標の一つに、「経費回収率」があります。
経費回収率とは、汚水処理に要する費用をどの程度下水道使用料で賄えているかを示した指標になり、独立採算制の原則から、100パーセントを超えることが必要と考えられています。
次の表は、毎年度末時点の経費回収率と基準外繰入金(一般会計繰入金(注釈))の推移を示したものです。
決算年度 | 令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 |
---|---|---|---|---|---|
経費回収率(パーセント) | 101.92 | 102.25 | 110.55 | 96.98 | 93.52 |
基準外繰入金(千円) (うち収益的収入分) |
25,150 | 19,284 | 13,800 | 172,813 | 232,766 |
経費回収率が令和3年度までは100パーセントを超えていたものの、令和4年度以降は100パーセントを下回っており、一方で基準外繰入金が増加していることが分かります。
これは、節水型機器の普及や人口減少の影響により、下水道使用料収入が減少傾向にある中、令和4年度以降、物価上昇や電気料金の高騰により汚水処理費が増加し、下水道使用料収入では賄うことができず、結果として、基準外繰入金で補てんしていることを示しています。
経費回収率を改善していくためには、さらなる費用の削減をしつつ、将来の施設更新に必要な財源の確保や、健全な経営を継続していくべく、適正に下水道使用料を確保していくことが求められます。
今後も、下水道事業の将来を見据えながら、安定した経営を目指して取り組んでいきます。
用語解説
注釈・一般会計繰入金
繰入金には、国の基準による「基準内繰入金」と、基準によらない「基準外繰入金」があります。
詳しくは、下水道だより(3)一般会計繰入金とはをご参照ください。
更新日:2025年01月01日