下水道だより(6)当年度純利益と一般会計繰入金の推移【令和6年12月1日掲載】
地方公営企業である下水道事業は、一般企業のように利益や損失という考えかたがあります。一年間の収入(下水道使用料、一般会計繰入金等)と支出(施設等の維持管理費、企業債支払利息、減価償却費等)を差し引きします。収入が多ければ「当年度純利益」(黒字)、支出が多ければ「当年度純損失」(赤字)となり、企業としての採算が取れているか分かります。
次の表は、過去5年間の「当年度純利益」と「一般会計繰入金」(注釈)の推移です。
決算年度 | 令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 |
---|---|---|---|---|---|
当年度 純利益 |
44,950 | 41,968 | 85,312 | 155,750 | 192,469 |
一般会計 繰入金 (うち 基準外 繰入金) |
173,806 |
161,375 |
180,484 |
242,796 |
355,851 |
(注釈)基準外繰入金とは、総務省が定める繰入基準以外の繰入金です。
この表から、当年度純利益には一般会計繰入金が大きな影響を与えていることが分かります。特に、令和4年度以降は、基準外繰入金がなければ実質は赤字となっています。
下水道事業には、独立採算制の原則や受益者負担の原則があり、基準外繰入金を可能な限り低減させつつ、安定した経営を継続していくことが必要です。
近年は、人口減少や水需要の低下に伴い使用料収入が減少しています。一方、物価やエネルギー価格の高騰により、維持管理や施設更新の費用は増加傾向にあり、下水道事業にとって厳しい状況にあります。今後、持続可能な経営のためには、収支構造を改善し、適切に利益を上げていくことが望まれます。
引き続き、下水道事業の将来を見据えながら、安定した経営を目指して取り組んでいきます。
用語解説
注釈・一般会計繰入金
繰入金には、国の基準による「基準内繰入金」と、基準によらない「基準外繰入金」があります。
詳しくは、下水道だより(3)一般会計繰入金とはをご参照ください。
更新日:2024年12月01日