災害に対する備え
地震などの大規模な災害が発生した場合、初期消火活動や被災者の救出援護活動などを迅速に行うことが、被害を最小限に抑えるために不可欠です。また、避難場所での生活を想定した場合、食糧品などの生活関連物資を、迅速かつ安定的に供給する必要があります。
しかしながら、道路の寸断や同時多発的な被害が発生した場合、このような事案に関して、市や消防機関などが迅速に対応することは困難を極めます。
こうしたことからも、被害の防止や軽減を図るため、市民の皆さん一人一人が、災害の発生に備え、日頃からさまざまな取り組みを行っていただくことが重要となってきます。
地震への備え
地震が起きる前に
住宅の耐震化
大規模な地震が発生した場合、家屋に対する被害として、おおむね次のような被害が想定されます。
- 建物全体の倒壊
- 2階建て家屋の1階部分の崩壊
- 壁や塀の崩落 など
人的被害の防止や軽減を図るためには、建物自体が倒壊しないよう、家屋を耐震化する必要があります。特に、建築基準法改正により、建築基準が強化された昭和56年5月以前に建築された家屋は、倒壊の危険性が高いと言われています。
まずは、住宅の耐震診断を受け、必要な補強を行いましょう。
住宅の耐震化の詳細は、次のホームページを参照してください。
家具などの転倒防止
平成7年阪神・淡路大震災や平成16年新潟県中越地震など、最近発生した地震における負傷者の多くが、家具や家電製品などの転倒や落下によるものとされています。
建物が倒壊しない程度の揺れであっても、家具などの転倒や落下により、下敷きになって負傷もしくは死亡することが考えられます。また、転倒や落下した家具などが、避難や救助の妨げになる場合も考えられます。
家具などの転倒や落下を防ぐポイントは、おおむね次のとおりです。住宅の耐震化と併せ、各家庭で必要な対策を行いましょう。
分類 | 主な対策 |
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食器棚 |
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冷蔵庫 | 専用の転倒防止金具により壁面に固定する。 |
照明器具 |
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テレビ |
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タンス |
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窓ガラス |
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安全スペースの確保 | 高齢者や乳幼児の部屋には、なるべく背の高い家具などを置かない。 |
ブロック塀 |
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備蓄品・非常用持ち出し品
市や県が備蓄する食糧や飲料水は、それぞれ1日分を目安としています。災害発生直後の混乱期は、食糧や飲料水の安定的な供給が困難なことから、各家庭で最低3日分を備蓄するよう心掛けましょう。また、備蓄品や非常用持ち出し品は、家具などが転倒しても取り出しやすい所に保管しておくようにしましょう。
主な備蓄品や非常用持ち出し品は次のとおりです。
分類 | 内容 |
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個別に準備するもの |
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家族で準備するもの |
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あると便利なもの |
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乳幼児や要介護者のいる家庭 |
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地震発生時の行動
大規模な地震が発生したときに、冷静に判断し、行動することは難しいものです。しかしながら、一瞬の判断が生死を分けることがあります。あわてず、落ち着いて行動するために、地震発生時の行動パターンを覚えておくとよいでしょう。
地震発生直後
- ドアや窓を開け、避難口を確保
- 自分の身を守る
発生後1,2分
- 家族の安全を確認
- 初期消火
- 非常持ち出し品などを準備
発生後3分から5分
- 近所の安全を確認
- 余震に注意
- ラジオなどで情報を確認
発生後5分から10分
- ブレーカーを切るなど出火防止対策
- 避難行動を開始
発生後10分から数時間
- 消火、救出活動
- 災害情報の収集
発生から3日程度
- 余震に注意
- 避難場所では集団生活のルールを守る
場所と状況 | 地震発生時に取るべき行動 |
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自宅(料理中) |
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自宅(就寝中) |
布団や枕で頭部を保護し、ベッドの下など家具が転倒しない所に伏せましょう。 |
自宅(浴室やトイレの中) |
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自宅(共通) |
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学校・勤務先 | 直ちに窓際やロッカーなどから離れ、机の下にもぐり身を守りましょう。 |
外出先(スーパーやデパートの中) |
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外出先(映画館や劇場の中) |
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外出先(地下街) |
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外出先(エレベーターの中) |
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場所と状況 | 地震発生時に取るべき行動 |
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歩行中(路上) |
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歩行中(橋や歩道橋の上) |
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歩行中(海岸) | 津波の危険があるため、直ちに高台など安全な場所へ避難します。 |
歩行中(駅) |
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乗り物[自動車(運転中)] |
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乗り物(バス) |
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乗り物(電車や地下鉄) |
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避難のポイント
災害が発生し、屋内にとどまることが危険な状況になった場合は、落ち着いて、素早く避難する必要があります。避難にあたっては、次の点に注意しましょう。
- ガスの元栓を閉め、ブレーカーを切るなど出火防止対策を行う。
- 防災ずきんやヘルメットで頭部を保護し、長袖や長ズボンなど肌の露出を抑えた衣服を着用する。
- 軍手や革手袋をはめ、底が厚く、履き慣れた靴を着用する。
- 非常持ち出し品は必要最小限に抑え、両手が使えるよう、リュックサックに入れて背負う。
- 避難先を記した連絡メモを張り出す。
- 車は使用せず、徒歩で避難する。
- 狭い路地やブロック塀、がけや川べり、自動販売機や看板の多い場所には近付かない。
- お年寄りや身体の不自由な人、けが人などに声を掛け、みんなで助け合いましょう。
家族みんなで防災会議
大規模な地震が発生した場合、被害の防止や軽減を図るためには、市民の皆さん一人一人が、災害の発生に備え、日頃からさまざまな取り組みを行っていただくことが重要となってきます。
総務省消防庁では、地震発生から避難に至るまでの行動パターンや、地震に備えた事前対策をまとめた防災マニュアル(下記リンク参照)を公表しています。
この防災マニュアルを参照し、災害発生時の役割分担や避難経路などを、家族みんなで話し合うようにしましょう。
帰宅困難となっても困らないために
首都圏で大規模な地震が発生した場合、交通機関が不通となり、通勤や通学などで市外に外出している人の多くが帰宅困難になると想定されます。
県が実施した地震被害想定調査によると、最大で5,000人弱の日高市民が帰宅困難になると予測されています。
職場や学校など外出先では
職場や学校など外出先で大きな地震に遭った場合に徒歩で帰宅することを想定して、日頃から、必要最低限の備えをするよう心掛けましょう。
- 食糧や装備品の備蓄
チョコレートやキャラメル、栄養補助食品など携帯できる食糧や飲料水を、机やカバンの中に入れておきましょう。また、徒歩で長距離を移動するため、スニーカーや地図、携帯ラジオや懐中電灯などを、ロッカーなどに準備しておきましょう。 - 帰宅経路の事前検討
自宅までの帰宅経路を事前に検討し、市販の地図に利用可能な施設(公園の水道やトイレ、一時的な休憩場所など)や危険箇所などを記した「帰宅マップ」を作成するようにしましょう。 - 家族や知人との連絡手段などの確認
大規模な災害が発生した場合、被災地への通信が増加するため、電話がつながりにくくなります。災害用伝言サービスの利用方法を家族や知人で確認し合い、安否確認に役立てましょう。また、事前に家族や知人と話し合い、避難場所や集合場所を決めておくと良いでしょう。
帰宅困難者対策
- 行政の取り組み
帰宅困難となった人の支援には、行政区域を越えた自治体間の協力が欠かせません。首都圏9つの自治体(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市)で構成される九都県市首脳会議防災・危機管理対策委員会(下記リンク参照)では、防災対策に関する各種検討が進められており、平成17年から平成19年にかけては、帰宅困難者に対する水道水やトイレの提供などを目的として、一部のコンビニエンスストアやファミリーレストランと協定を締結しました。 - 事業所や学校で期待される取り組み
大規模な地震が発生した場合に、周辺の被害状況や交通機関の状況を把握しないまま、お客様や従業員、児童・生徒を帰宅させることは、大きな混乱を招くばかりでなく、多くの危険を伴います。安全が確認されるまでは情報収集に努め、状況によっては、一定期間待機してもらうことが必要です。また、こうした場合に備え、事業所や学校ごとに食糧や飲料水などを備蓄していただくことも必要です。
火災予防
ほとんどの火災は、一人一人が注意することで防ぐことができます。火災予防のポイントとして、次の点に注意しましょう。
放火対策
- 家の周りに燃えやすいものを置かない
- 車庫や物置の戸締りを忘れずに
- ごみは指定された収集日に出す
たばこ
- 投げ捨てや寝たばこは絶対にしない
- 吸いかけを残したまま、その場を離れない
コンロ
- 離れるときは必ず火を消す
- 周囲に燃えやすいものを置かない
たき火
- 風の強い日や乾燥している日はやらない
- 消火用の水を用意する
- 消火したことを確認する
火遊び
- 子どもの手の届く所にライターやマッチを置かない
- 子どもには火の怖さや正しい使いかたを教える
暖房器具
- 周囲に燃えやすいものを置かない
- 消し忘れに注意する
電気器具等の配線
- たこ足配線はしない
- 傷んだコードやコンセントは修理交換する
- コンセントは定期的に掃除する
風水害対策
雨や風などの気象状況は、刻々と変化します。テレビやラジオなどの情報をもとに、迅速な対応を心掛けましょう。主な風水害対策は次のとおりです。
- テレビやラジオ、気象庁ホームページ(下記リンク参照)などから、最新の気象情報を入手します。
- 台風の接近や豪雨の危険性があるときは、むやみに外出しないようにしましょう。
- 食糧品、布団、衣類などの生活必需品を、安全な場所に移動します。
- 勤務先にいる家族などと連絡を取り、非常時に備えます。
- 大きな被害が想定される場合には、早めに安全な場所へ避難します。
災害用伝言サービス
地震などの災害が発生した場合に、音声や文字メッセージによる伝言板の役割を果たすサービスです。被災地への通信が増加し、つながりにくくなる状態=輻輳(ふくそう)に対処するため、固定電話や携帯電話などの電気通信事業者により提供されます。
災害用伝言ダイヤル(171)
被災地の方は、171番をダイヤル後、自宅の電話番号などを入力し、伝言を録音します。被災地以外の人は、171番をダイヤル後、連絡を取りたい人の電話番号などを入力の上、伝言を再生します。
ご利用方法などの詳細については、NTT東日本ホームページ(下記リンク参照)をご覧ください。
災害用ブロードバンド伝言板(web171)
インターネットを利用して、被災地の方の安否確認を行う伝言板です。文字情報の外、静止画、動画および音声ファイルの登録・閲覧が可能です。
ご利用方法などの詳細は、NTT東日本ホームページ(下記リンク参照)をご覧ください。
災害用伝言板サービス
携帯電話・PHS会社各社が実施する文字メッセージによる伝言板サービスです。
ご利用方法などの詳細は、各社ホームページをご覧ください。
関連リンク集
一般向け
子ども向け
こどもぼうさいe-ランド(総務省消防庁防災・危機管理e-カレッジ)
関連情報
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更新日:2022年06月28日