平成29年度予算編成の方針

 平成29年度当初予算の編成方針が決まりましたのでお知らせします。

平成29年度予算の編成について

 我が国の経済について、8月の月例経済報告によると、「景気は、このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」としているが、その一方で、中国経済や資源国等の景気の下振れなどのリスク、英国のEU離脱問題など海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動に留意する必要があるとされている。

 このような中、国の平成29年度予算の概算要求に当たっての基本方針(平成28年8月2日閣議了解)では、「経済財政運営と改革の基本方針2016」を踏まえ、引き続き「経済・財政再生計画」の枠組みの下、手を緩めることなく本格的な歳出改革に取り組むとしており、「施策の優先順位を洗い直し、無駄を徹底して排除しつつ、予算の中身を大胆に重点化する。」としている。

 一方、地方創生については、少子高齢化に歯止めをかけ、地域の人口減少と地域経済の縮小を克服し、将来にわたって成長力を確保することを目指し、「まち・ひと・しごと総合戦略」を改訂し、「東京一極集中の是正」、「若い世代の就労・結婚・子育ての希望実現」、「地域の特性に即した課題解決」を基本的視点として掲げ、国及び地方において官民の総力を挙げて地方創生の本格展開に取り組むとしており、地域特性に応じた戦略の推進を求めている。

 本市においても平成24年以降人口が減少しており、このまま新たな対策を講じない場合は減少が続くものと見込まれる。

 このような中、平成27年度決算における本市の財政状況においては、地方消費税交付金に大きな増額があったものの、市税及び臨時財政対策債は減額となっている。地方交付税は総額で増額となっているものの、公的病院に対する特別交付税措置といった特殊要因を除くと実質的には減額となっている。経常収支比率に改善はみられ、実質公債費比率は引き続き低下しているが、将来負担比率が上昇に転じており、地方債残高が増加していることとあわせ、注意が必要である。

 平成29年度の財政見通しは、歳入については、市税に大きな伸びは見込めず、地方消費税交付金については税率引上げの再延期により増額は見込めない。また、地方交付税・臨時財政対策債については総額で減額となる見込みであり、総額を約164億7千万円と見込んでいる。一方、歳出については、実施計画の概算要求状況等から総額を約190億円と見込んでおり、現時点で約25億3千万円の財源不足となる見通しである。

 このような厳しい財政状況の中であるが、少子・高齢化対策及び本市の活性化のため策定した、「日高市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に位置づける事業は、自主財源を確保していく意味においても特に重点的に取り組んでいく必要がある。

 これらに加え、増大する社会保障費、市道や駅周辺の都市基盤などの整備、公共施設の老朽化対策など、喫緊の課題に対応するためには、今まで以上の財源確保を進める必要がある。引き続き地方債の発行や財政調整基金の繰り入れに頼らざるを得ない状況ではあるが、将来の財政需要に備えた積立も必要であり、そのためには経常経費の再精査や既存の事務事業を大胆に見直して財源を生み出していかなければならない。

 平成29年度予算の編成に当たっては、このような財政状況を踏まえたうえで、先例や慣例にとらわれず、創意工夫と新たな視点で事務事業を見直し、スピード感をもって取り組む必要がある。
限られた財源を効率的・効果的に活用し、多様化する行政課題に迅速かつ着実に対応できるよう、下記の事項に留意し予算編成を行うものとする。

1 第5次日高市総合計画の推進

 平成29年度予算の編成に当たっては、「第5次日高市総合計画後期基本計画」の2年度目にあたり、計画で示した目標達成に向けての着実な前進が求められる。
計画に掲げた5つの基本目標を念頭に、各分野において目標が達成できるよう予算編成にあたること。

2 重点施策

 「笑顔と元気を 未来(あした)へ 緑きらめくまち 日高」を目指して、特に次の施策を柱として取り組むこと。

  1. 結婚から子育ての一貫した支援と、学力向上と心豊かな人を育む『子育て応援、教育環境の整備』に資する事業。
  2. 高麗郷の魅力や価値の発信と、恵まれた自然を活かした遠足の聖地プロジェクトを推進する『環境保全、観光・産業振興』に資する事業。
  3. 快適で住み続けたくなる住環境の整備と、安心・安全の確保を図る『都市基盤・住環境整備、安心安全』に資する事業
  4. 生涯・スポーツの振興と、生き生きと生活できる健康づくりを推進する『健康づくり、生涯学習』に資する事業

なお、上記4点の重点施策を連携した施策を積極的に推進すること。

3 一般的事項

  1. 事業の選択に当たっては、市総合計画の基本計画、実施計画、主要な施策の成果及び行政評価の結果を踏まえ、将来の財政負担を考慮し、先例や慣例にとらわれることなく、事業の優先度についてじゅうぶん検討すること。
  2. 新規事業、既存事業にかかわらず、各部・課所自らが積極的に財源確保に努め、国・県支出金はもとより、地方債やその他特定財源の活用を図ること。
  3. 新規事業については、前述の重点施策に資する事業及び真に市民生活の向上に資する緊急・不可欠な事業に限定すること。
  4. 既存の事務事業については、その内容、効果を評価・検証し、経過等にとらわれることなく柔軟かつ大胆に廃止・縮小、手法変更等の検討を行うこと。
  5. 国、県支出金を財源とする事業については、国、県の予算編成の動向や制度改正を的確に把握し、事業効果や負担区分の在り方等をじゅうぶん検討して事業の選択を行うこと。
  6. 議会及び監査委員の意見や指摘事項等については、その趣旨を踏まえ、速やかに改善を図ること。

4 歳入に関する事項

 歳入予算の見積りに当たっては、社会経済情勢の動向、過去の実績等を精査・分析するとともに、最新の資料、情報を収集し、自主財源の確保及び依存財源の的確な捕捉に努めること。なお、多額の財源不足が見込まれるため、あらゆる創意工夫により財源の創出に努めるとともに、過小な見積もりは厳に慎むこと。

  1. 市税
     経済情勢の推移、税制改正の動向をじゅうぶん勘案し、的確な見積りを行うこと。
  2. 地方譲与税、利子割交付金等の交付金及び地方交付税
     国、県の予算編成、地方財政計画等に注視し、関係法令改正の動向等をじゅうぶん勘案し、的確な見積りを行うこと。
  3. 分担金及び負担金
     事業の性格、実施規模や受益の限度等をじゅうぶん検討し、法律、条例の規定に即し的確な見積りを行うこと。
  4. 使用料及び手数料
     公平性確保の視点から、利用者負担の適正化を推進し、条例の規定に即し的確な見積りを行うこと。
  5. 国・県支出金
     国、県の予算編成の動向や制度改正を的確に把握して見積りを行うこと。特に、補助・負担金の廃止や補助率・負担割合の変更等、制度改正の動向を注視し、過大な見積りや安易な一般財源への振替を行うことのないよう留意すること。
  6. 財産収入
     財産の売払い、貸付けについては、時価に則した適正な価格による見積りを行うこと。利用計画のない財産の整理を行い、積極的に売払いを行うなど、収入の確保に努めること。
  7. 市債
     事業自体の適債性及び後年度の財政負担を考慮し、地方交付税が措置されるもの、低利なもの等、有利な起債の活用に努めること。
  8. その他の収入
     1.から7.までに準じて適正な見積りを行うこと。

5 歳出に関する事項

 歳出予算の見積りに当たっては、限られた財源を有効に活用するため、事業の効果や市民ニーズを踏まえた選択を行うとともに、事務事業について徹底した見直しを行い、更なる節減、合理化、効率化により、不用額の縮減に努めること。
 また、執行実績等を勘案し、過大な見積もりや、前年同額というような安易な見積もりは厳に慎むこと。

  1. 人件費
     第4期定員適正化計画に基づき、計画的な人員の削減と効率的な事務処理を更に進めることとし、新規行政需要については、増員を極力抑制し見積りを行うこと。
  2. 物件費(賃金、旅費、交際費、需用費、役務費、委託料、使用料及び賃借料、備品購入費等)
     一般行政経費に係る物件費については、既存経費の見直し、事務の合理化、執行方法の改善等の創意と工夫により、徹底した効率化に努めたうえで見積りを行うこと。
  3. 維持補修費
     施設の現況を的確に把握し、老朽の程度を勘案しながら、「公共施設等総合管理計画」に基づく「公共建築物の維持管理に関する実行計画」の策定までは、必要最小限なものに限り、見積りを行うこと。
  4. 補助費等
     負担金、補助金等については、その公益性、公平性、目的の達成度合、繰越金の状況等をじゅうぶん検討し、積極的な整理、統合、縮小、廃止に努めたうえで適切に見積りを行うこと。
  5. 扶助費
     後年度負担の増加に留意するとともに、社会的公正に努め、被扶助者数の動向等を的確に把握して見積りを行うこと。
  6. 投資的経費
     前述の重点施策に資する事業を優先とし、行政水準向上への効果をじゅうぶん把握するとともに、後年度の管理体制、財政負担についても慎重に検討を行うこと。また、市総合計画との整合性に留意し、事業費の積算に当たっては、過去の実績や設計書等により適正に見積もるとともに、国・県補助金の活用についてもじゅうぶん調査、検討を行うこと。また、適債事業にあっては起債の活用についてもじゅうぶん調査、検討を行うこと。
     施設の整備については、「公共建築物の維持管理に関する実行計画」の策定までは、原則凍結する。
  7. その他の歳出
     1.から6.までに準じて適正な見積りを行うこと。
  8. その他
     国・県補助事業についての市費の超過負担及び国・県補助負担割合の変更等に伴う市費単独事業への振替は、制度改正の趣旨・内容をじゅうぶんに把握・整理し、本来市費にて負担すべきものであるかどうかを検証すること。

6 継続費及び債務負担行為

 新規に設定する場合は、事業規模、年割額等をじゅうぶん検討し、後年度において過重な財政負担を招かないよう留意すること。

7 特別会計

 それぞれの会計の設置目的に従い業務運営の合理化及び効率化を徹底し、繰入金の安易な増額に依存しない独立採算性の確保に努めること。特に基準に基づかないいわゆる赤字繰入についてはその解消に努めること。

8 企業会計

 経済性の発揮を基本とし、経営状況、今後の見通しについてじゅうぶん検討を行い、独立採算性の確保に努めること。

別紙 財政収支見通し(平成29年から平成31年)について(PDF:109.4KB)

予算編成作業スケジュール(予定)

平成29年度予算編成日程の予定
平成29年度予算編成日程(予定) 国の動向等
9月
  • 予算編成方針決定
  • 予算見積書等作成
 
10月
  • 予算見積書等提出
  • 予算要求折衝
 
11月
  • 予算要求折衝
 
12月
  • 予算要求状況の公表
  • 財政課長予算査定・内示
  • 総合政策部長予算査定・内示
  • 税制改正大綱公表
  • 地方財政対策公表
1月
  • 各部復活要求折衝・内示
  • 副市長査定・内示
  • 市長査定・内示
  • 地方財政計画公表
2月
  • 平成29年度予算案記者発表
 
3月
  • 議会上程、議会審議
  • 平成29年度予算議決
 

日程については、現時点の予定であり、今後、変更となる場合があります。

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更新日:2017年03月01日