健全化判断比率・資金不足比率の公表
はじめに
地方公共団体の財政の健全化に関する法律(注釈1)に基づき、健全化判断比率(実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率)と資金不足比率を算定し、公表しています。
これらの比率が基準値以上の場合は、財政の早期健全化や財政の再生、公営企業の経営健全化を図るための計画を策定し、計画実施の促進を図る行財政措置を講じることとなります。
(注釈1)地方公共団体の財政の健全化に関する法律(健全化法)…平成20年4月1日から一部施行、平成21年4月1日から全面施行
健全化判断比率の概要
令和5年度決算では、各会計の実質収支が黒字または資金剰余額を生じたため、実質赤字比率および連結実質赤字比率は算定されませんでした。
実質公債費比率は、令和5年度決算と令和4年度決算を比べると、0.6ポイント増加しています。主な理由は、平成25年度から5か年計画で集中的に実施した幹線道路舗装修繕工事などにより、多額の建設債を発行したため、地方道路等整備事業債などの元利償還金が増加したものです。
将来負担比率は、令和5年度決算では、将来償還していく地方債元金等の将来負担額よりも将来負担額に充当可能な財源等が多いため算定されませんでした。
実質赤字比率 | 連結実質赤字比率 | 実質公債費比率 | 将来負担比率 | |
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令和5年度 | ―(13.06) | ―(18.06) | 4.5(25.0) | ―(350.0) |
令和4年度 | ―(13.08) | ―(18.08) | 3.9(25.0) | ―(350.0) |
令和3年度 | ―(13.05) | ―(18.05) | 3.4(25.0) | ―(350.0) |
令和2年度 | ―(13.12) | ―(18.12) | 2.9(25.0) | ―(350.0) |
令和元年度 | ―(13.17) | ―(18.17) | 2.3(25.0) | ―(350.0) |
平成30年度 | ―(13.19) | ―(18.19) | 2.1(25.0) | 3.7(350.0) |
平成29年度 | ―(13.20) | ―(18.20) | 1.8(25.0) | 3.5(350.0) |
平成28年度 | ―(13.20) | ―(18.20) | 2.1(25.0) | 8.4(350.0) |
平成27年度 | ―(13.18) | ―(18.18) | 2.1(25.0) | 1.8(350.0) |
平成26年度 | ―(13.21) | ―(18.21) | 2.8(25.0) | ―(350.0) |
平成25年度 | ―(13.20) | ―(18.20) | 3.6(25.0) | ―(350.0) |
平成24年度 | ―(13.23) | ―(18.23) | 5.5(25.0) | 0.5(350.0) |
平成23年度 | ―(13.24) | ―(18.24) | 7.4(25.0) | 12.2(350.0) |
平成22年度 | ―(13.27) | ―(18.27) | 8.8(25.0) | 24.6(350.0) |
平成21年度 | ―(13.30) | ―(18.30) | 8.9(25.0) | 36.4(350.0) |
平成20年度 | ―(13.32) | ―(18.32) | 9.0(25.0) | 37.0(350.0) |
- 実質赤字額または連結実質赤字額がない場合および実質公債費比率または将来負担比率が算定されない場合は、「―」を記載しています。
- かっこ内の値は、日高市の早期健全化基準を示しています。
資金不足比率の概要
令和5年度決算では、各公営企業会計において資金不足額は生じていないため、資金不足比率は算定されませんでした。
なお、農業集落排水事業特別会計は、平成22年度より下水道事業会計に統合されています。
また、平成29年度決算から、武蔵高萩駅北土地区画整理事業特別会計を普通会計分と宅地造成事業分に分けています。
年度 | 水道事業会計 | 下水道事業会計 | 農業集落排水事業特別会計 | 武蔵高萩駅北土地区画整理事業特別会計(宅地造成事業) |
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令和5年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ― (20.0) | |
令和4年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ― (20.0) | |
令和3年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ― (20.0) | |
令和2年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ― (20.0) | |
令和元年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ― (20.0) | |
平成30年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ― (20.0) | |
平成29年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ― (20.0) | |
平成28年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ||
平成27年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ||
平成26年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ||
平成25年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ||
平成24年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ||
平成23年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ||
平成22年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ||
平成21年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ― (20.0) | |
平成20年度 | ― (20.0) | ― (20.0) | ― (20.0) |
- 資金不足額がない場合は、「―」を記載しています。
- かっこ内の値は、日高市の経営健全化基準を示しています。
用語解説
標準財政規模
地方公共団体の財政規模を比較するのに用いる指標で、標準税率により算出された地方税等に普通交付税額と臨時財政対策債発行可能額を加えた一般財源規模の理論値を示しています。
実質赤字比率
一般会計等の赤字額が標準財政規模に占める割合を示しています。
実質赤字比率 = 一般会計等の実質赤字額 / 標準財政規模
- 一般会計等の実質赤字額:一般会計および特別会計のうち普通会計に相当する会計における実質赤字の額
- 実質赤字の額=繰上充用額+(支払繰延額+事業繰越額)
- 日高市の令和5年度決算における「一般会計等」とは次の2会計です。
- 一般会計
- 武蔵高萩駅北土地区画整理事業特別会計
連結実質赤字比率
公営企業会計以外の会計の赤字額と公営企業会計の資金不足額を合計した額が標準財政規模に占める割合を示しています。
連結実質赤字比率 = 連結実質赤字額 / 標準財政規模
- 連結実質赤字額:AとBの合計額がCとDの合計額を超える場合の当該超える額
A.一般会計および公営企業(地方公営企業法適用企業・非適用企業)以外の特別会計のうち、実質赤字を生じた会計の実質赤字の合計額
B.公営企業の特別会計のうち、資金の不足額を生じた会計の資金の不足額の合計額
C.一般会計および公営企業以外の特別会計のうち、実質黒字が生じた会計の実質黒字の合計額
D.公営企業の特別会計のうち、資金の剰余額を生じた会計の資金の剰余額の合計額
- 日高市の令和5年度決算における「一般会計、公営企業以外の特別会計、公営企業の特別会計」とは次の8会計です。
- 一般会計
《公営企業以外の特別会計》
- 国民健康保険特別会計
- 後期高齢者医療特別会計
- 介護保険特別会計
- 武蔵高萩駅北土地区画整理事業特別会計(普通会計)
《公営企業の特別会計》
- 水道事業会計
- 下水道事業会計
- 武蔵高萩駅北土地区画整理事業特別会計(宅地造成事業)
実質公債費比率
公債費および公債費に準ずる費用に充てられた一般財源が標準財政規模に占める割合を過去3か年平均で示しています。
例えば、実質公債費比率が10パーセントの場合、地方税等の一般財源のうち10パーセントが元利償還金等に充てられたこととなります。
この比率が18パーセント以上の団体は、地方債の発行に際し許可が必要となります。
実質公債費比率(3か年平均)={(地方債の元利償還金 + 準元利償還金)-(特定財源 + 元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額)} / (標準財政規模 - 元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額)
- 準元利償還金:AからEまでの合計額
A.満期一括償還地方債について、償還期間を30年とする元金均等年賦償還とした場合における1年当たりの元金償還金相当額
B.一般会計等から一般会計等以外の特別会計への繰出金のうち、公営企業債の償還の財源に充てたと認められるもの
C.組合・広域連合(組合等)への負担金・補助金のうち、組合等が起こした地方債の償還の財源に充てたと認められるもの
D.債務負担行為に基づく支出のうち公債費に準ずるもの
E.一時借入金の利子
- 特定財源:国や都道府県等からの利子補給、貸付金の財源として発行した地方債に係る貸付金の元利償還金、公営住宅使用料、都市計画事業の財源として発行された地方債償還額に充当した都市計画税等
将来負担比率
一般会計等が今後返済しなければならない地方債残高等が標準財政規模に占める割合を示しています。
例えば、将来負担比率が150パーセントの場合、決算年度における地方税等の一般財源で換算すると、1年6か月分に相当する負債を抱えていることになります。
将来負担比率 = {将来負担額 - (充当可能基金額 + 特定財源見込額 + 地方債現在高等に係る基準財政需要額算入見込額)}/(標準財政規模 - 元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額)
- 将来負担額:AからHまでの合計額
A.一般会計等の当該年度の前年度末における地方債現在高
B.債務負担行為に基づく支出予定額(地方財政法第5条各号の経費等に係るもの)
C.一般会計等以外の会計の地方債の元金償還に充てる一般会計等からの負担等見込額
D.当該団体が加入する組合等の地方債の元金償還に充てる当該団体からの負担等見込額
E.退職手当支給予定額(全職員に対する期末要支給額)のうち、一般会計等の負担見込額
F.地方公共団体が設立した一定の法人の負債の額、その者のために債務を負担している場合の当該債務の額のうち、当該法人等の財務・経営状況を勘案した一般会計等の負担見込額
G.連結実質赤字額
H.組合等の連結実質赤字額相当額のうち一般会計等の負担見込額
- 充当可能基金額:AからFまでの償還額等に充てることができる地方自治法第241条の基金
資金不足比率
地方公共団体が設置する公営企業会計ごとに、資金の不足額の事業の規模に対する割合を示しています。
資金不足比率 = 資金の不足額 / 事業の規模
- 資金の不足額:資金の不足額(法適用企業)=(流動負債+建設改良費等以外の経費の財源に充てるために起こした地方債の現在高-流動資産)-解消可能資金不足額
- 事業の規模:事業の規模(法適用企業)=営業収益の額-受託工事収益の額
解消可能資金不足額:事業の性質上、事業開始後一定期間に構造的に資金の不足額が生じる等の事業がある場合において、資金の不足額から控除する一定の額
早期健全化基準
悪化した財政状況の健全化を、早期に自主的かつ計画的に図らなければならない地方公共団体を判別する基準。
財政再生基準
財政状況が著しく悪化し、自主的に財政再建ができない地方公共団体を判別する基準。
経営健全化基準
悪化した公営企業の経営状況を計画的に建て直し、健全化を図らなければならない公営企業を判別する基準。
更新日:2024年08月28日