地域物語 第19編「万葉びとに思いを馳せる」

更新日:2024年03月21日

ー日高市の万葉歌碑ー

市内には巾着田きんちゃくだと、大谷沢地区にあるJAいるま野高萩南農産物直売所駐車場の2箇所に万葉歌碑があります。いずれの歌も万葉集まんようしゅう巻十四「東歌あづまうた」に収めらています。

万葉集は 1200 年余り前、奈良時代 770 年ごろに編纂された日本最古の歌集で、皇族や貴族だけでなく、防人さきもりや農民まで、幅広い層の人々が読んだ和歌が 4500 首以上収録されています。

歴史名勝No58「万葉歌碑(高麗錦)」

こまにしきえんけい

巻十四―三四六五、未勘国相聞往来歌百十二首の一首

高麗錦こまにしきの紐を解いて共寝をしているのに、この上、一体ど後ろというのか、無性に可愛くてしかたがない」と歌っています。

(注釈1)高麗錦=朝鮮半島北部の高句麗で、さまざまな色糸を 用いて織られた高級絹織物です。

(注釈2)未勘国 = 国名が分からない。

(注釈3)相聞往来歌 = 恋の歌

こまにしききんけい

 

巨麻尓思吉( こまにしき)

比毛登伎佐(ひもときさ)

気弖奴流我(きてぬるが)

倍尓安杼世(へにあどせ)

呂登可母安(ろとかもあ)

夜尓可奈之(ややかなし) 伎(き)

歴史名勝No59「万葉歌碑(大谷沢)」

おおやさわまんようかひえんけい

巻十四―三三七八、武蔵国相聞往来歌九首の一首

入間道いるまじのおほやが原のいはゐづらを、引けばぬるぬるとよってくるように、あなたと私の仲を絶やさないでください」と歌っています。

(注釈1)いはいつら = 沼地などに生える水性植物

おおやさわまんようかひきんけい

伊利麻治能(いりまじの)

於保屋我波良能(おほやがはらの)

伊波為都良(いはいづら)

比可婆奴流奴流(ひかばぬるぬる)

和尓奈多要曽袮(わになたえそね)

位置図

るーとあんない

るーとあんない

地図