地域物語 第13編「日高にもある古寺巡礼」

更新日:2024年03月21日

高麗坂東三十三箇所観音霊場こまだんどうさんじゅうさん箇所かんのんれいじょう武蔵野三十三箇所観音霊場むさしのさんじゅうさん箇所かんのんれいじょう

こまばんどうかんのんれいじょう

高麗坂東三十三箇所観音霊場

旧高麗郡内を巡礼する観音霊場で江戸中期に創設されたと伝わります。日高市内には8寺があります。

武蔵野三十三箇所観音霊場

  昭和15年(1940年)、柴田常恵しばたじょうえにより開創されました。東京都、埼玉県にある34の寺院からなる観音霊場で、日高市内には4寺あります。第26番聖天院(新堀)、第27番勝音寺(栗坪)、第28番龍泉寺(横手)、番外霊巌寺(新堀)です。高麗坂東三十三箇所観音霊場と重なります。

歴史名勝No34「五番札所宝蔵寺」(高麗坂東三十三箇所観音霊場)

ほうぞうじ

日光道から分岐し、ときがわにある慈光寺じこうじ方面へ向かう慈光寺道沿いに、真義真言宗智山派弁日山宝蔵寺があります。本尊は不動明王ふどうみょうおうを安置しています。境内には明和2年(1765年)の宝篋印塔ほうきょういんとう、享保4年(1719年)、寛延3年(1750年)のお地蔵様などがあります。

ほうぞうじじみょうとう

寺名塔

安永3年(1774年)に建てられたもので、「高麗郡第五番宝蔵寺」とあり、高麗坂東三十三箇所札所であることがわかります。右上には「是より六番大谷沢十一丁五十間」(約1.29キロメートル)と六番常円寺観音堂までの距離が彫られています。

歴史名勝No35「六番札所常円寺・観音堂」

じょうえんじ

馬引沢に建つ曹洞宗そうとうしゅうの寺院で、徳川家康に仕えた旗本はたもと酒依家が慶長年間に建てた菩提寺ぼだいじです。境内にたつ宝篋印塔ほうきょういんとうには酒依義武が写経した法華経1巻が納められていたと明和9年 (1772年)の古文書に記されています。

6番札所観音堂かんのんどうは山門南側の山林内にあります。

かんのんどう

常円寺の道南にある観音堂

じみょうとう

寺名塔

さかいよりしはか

酒依氏墓所

境内には酒依氏の墓所があり、三代昌吉、八代義武、九代邦昌、十代昌氏が祀られています。酒依氏は武田氏に滅亡後徳川家康に仕え、ここ馬引沢に103石を知行しました。八代義武は享保2年(1735年)従五位下張摩守に叙任され江戸城に努めています。

歴史名勝No36「二十八番札所龍泉寺」

よこてりゅうせんじ

横手地区にある真言宗の寺院で、国道299号線に面した白壁の塀が目を引きます。本尊は千手観音で、慶安2年(1649年)観音堂領かんのんどうりょう九石の御朱印ごしゅいんを賜っています。

りゅうせんじほうきょういんとう

嘉慶2年(1388年)の宝篋印塔ほうきょういんとうは日高市内で確認されている完形の宝篋印塔では最古になります。

歴史名勝No37「二十九番札所長寿寺」

ちょうじゅじ

元宿にある真言宗の寺院で、本尊は釈迦如来しゃかにょらいです。 創建は不明ですが、元文元年(1736年)の秀伝住職の墓碑があります。慶安2年(1649年)徳川幕府から三ごくを賜っていました。境内には江戸期の宝篋印塔ほうきょういんとうが数多くあります。

歴史名勝No38「三十番札所勝音寺」

しょうおんじ

高麗川を背にした栗坪地内に建つ臨済宗りんざいしゅうの寺院で本尊は阿弥陀如来あみだにょらいです。創建は不明ですが、四代目安州隣芸が再興しました。 安州は平沢の金剛寺、駒高の安州寺も創建しています。境内に高麗三十三ヶ所観音霊場の第30番札所の寺名塔が立っています。

しょうおんじせんじゅかんのん

千手観音坐像せんじゅかんのんざぞうおよび両脇侍立像りょうわきじりゅうぞう(市指定文化財(彫刻))

勝音寺の本尊で、右側が不動明王ふどうみょうおう、左側が毘沙門天びしゃもんてん檜寄木造ひのきよせぎづくりです。造立は作風から14世紀後半と考えられます。台座には享保18年(1733年)からの修理と、延文5年(1360年)の再興の墨書銘ぼくしょめいが見つかりました。千手観音の像内からは天正9年(1581年)の年紀をもつ4枚の銘札が発見されました。この時鎌倉仏師法眼長盛が手を加えたことがわかります。法願長盛は聖天院の本尊を造立した人物でもあります。

しょうおんじだいはんにゃきょう

大般若経だいはんにゃきょう600帖(市指定文化財(典籍))

僧昌旭が慶安2年(1632年)から貞治3年(1364年)の2年半をかけて写経したものです。一部に後世の補写を含みますが600巻が完存する貴重な中世写経です。

歴史名勝No39「三十一番札所高岡如意輪堂」

たかおかにょいりんどう

岩本山如意輪観音にょいりんかんのんと称し、臨済宗りんざいしゅう勝音寺しょうおんじに属します。安産の仏様として信仰されています。境内に高麗三十三ヶ所観音霊場の第31番札所の寺名塔が立っています。

三十二番札所聖天院(法恩寺)

しょうでんいん

三十二番札所聖天院(法恩寺ほうおんじ

32番は当時法恩寺でしたが廃寺となったため、聖天院となります。

じみょうとう

法恩寺寺名塔が獅子岩橋ししいわばしの高麗川左岸側に他の石造物と並んで今も残っています。

歴史名勝No40「三十三番札所正福寺」

しょうふくじ

猿田やえんだ地区にある真言宗しんごんしゅうの寺院で、本尊は十一面観音じゅういちめんかんのんです。入口右手に「高麗三十三ヶ所観音霊場の第三十三番医王山正福寺」の寺名塔があります。

歴史名勝No41「番外札所霊巌寺」

れいがんじ

「本尊御影掛けの桜」と呼ばれる枝垂れ桜が有名な古刹。本尊は地蔵尊じぞうそんの画で、明和年間に本堂が火災の際地蔵尊の掛軸かけじくが火中から飛び出し本堂前の桜の木にかかり、難を逃れたこと、掛軸を仮堂に安置していた際、東松山市高坂方面に姿を現し田植えを手伝った田植地蔵尊と呼ばれた伝説が残っています。

位置図

いちず

 

マップ