地域物語 第12編「いにしえの音が響く―伝承の力―」
日高市には、横手神社(横手地区)、諏訪神社(栗坪、梅原地区)、野々宮神社(野々宮地区)、高麗神社(新堀地区)で獅子舞が、八剱神社にある八坂神社の祭りばやしが奉納されています。これらは市の無形民俗文化財に指定されています。いずれも秋の例祭に豊作祈願、安全祈願、悪病払いなどの意味を込め江戸時代から氏子や周辺の人によって伝承されてきました。
このほか、霞野神社獅子舞は昭和40年を最後に奉納は行われていませんが、諸道具(写真)が市の有形民俗文化財に指定されています。
霞野神社獅子舞諸道具(市指定有形民俗文化財)
歴史名勝No29「横手神社の獅子舞」

9月に(以前は8月25日に近い土曜日、日曜日)氏子によって奉納されます。神社での「宮詣り」から始まり、以前は村内を練り歩く「村廻り」 を行っていました。 演目は「雌獅子隠し」、「竿掛り」へと続きます。獅子のたてがみである語弊をかたどった切り紙が美しく舞います。
歴史名勝No30「諏訪神社の獅子舞」

8月28日に近い土曜日、日曜日に奉納されています。「宮詣り」のあと、高麗の宿の東側を村廻りします。神社に戻り、「雌獅子隠し」を奉納した後、今度は宿の西側を村廻りし、最後に「竿掛り」を奉納します。豪壮で荒々しい舞は「高麗宿の喧嘩獅子」と言われています。
歴史名勝No31「野々宮神社の獅子舞」

3月に行われる祈年祭のお礼で、豊作の感謝や悪魔祓いとして10月9日に近い土曜、日曜の例祭に奉納されます。演目は「宮詣り」「竿掛り」「雌獅子隠し」と進みます。次の「笹掛り」、「花すい」は野々宮神社の獅子舞にしかない演目です。「笹掛り」は笹に渡した蛇を前獅子と後獅子で取り合い、前獅子が呑み込むというもの。「花すい」は雌獅子と雄獅子がいるところへもう一方の雄獅子が花をもってきて誘い入れ替わるという演目です。
歴史名勝No32「高麗神社の獅子舞」

10月19日の例大祭に奉納されます。演目は、「宮詣り」「雌獅子隠し」「願獅子」「竿掛り」です。
本殿での宮詣りのあと、高麗神社西側の急峻な後ろ山にある水天宮へ登り拝礼舞を行うのが高麗神社獅子舞の特徴です。
歴史名勝No33「八坂神社の祭ばやし」
八剱神社境内に祭られている八坂神社の例祭で、8月14日、15日に奉納されます。祭りばやしの源流は、東京都世田谷の王蔵院に古くから伝わる王蔵流旧祭囃子で、この祭りばやしが川越市福原の中台に伝わり八坂神社に伝授されました。総けやき造りの山車の舞台で演じられる演目は、「獅子」、「外道」、「ひょっとこ」、「おかめ」など10種類ほどあります。山車は境内での奉納のあと、町内を一巡します。
更新日:2024年03月21日