地域物語 第10編「仏教美術の精華−聖天院−」

更新日:2024年03月21日

高麗王若光を祀る聖天院の宝物ほうもつ

聖天院は真義真言宗智山派しんぎしんごんしゅうちざんはの名刹です。境内には国、県、市指定合わせて9件もの文化財があります。

しょうでんいん

歴史名勝No21「聖天院山門」市指定文化財(建造物)

しょうでんいんさんもん

入母屋いりもや造りの総欅造二層そうけや気付くりにそう楼門ろうもんで、高欄親柱こうらんおやばしら擬宝珠ぎぼしに天保3年(1832年)と刻印されていることから、江戸時代後期の建立と考えられます。山門右手に風神ふうじん、左手に雷神らいじんが祀られています。

歴史名勝No22「聖天院阿弥陀堂」

しょうでんいんあみだどう

聖天院阿弥陀堂(市指定文化財(建造物))

禅宗様式ぜんしゅうようしき斗栱ときょうなど、室町風の格式が 見られる阿弥陀堂は13世紀前半の造立と考えられ、江戸時代、宝永元年(1704年)に修理されています。寄木造よせぎづくりの阿弥陀如来像が安置されています。

あみだにょらい

木造阿弥陀如来像もくぞうあみだにょらいぞう(市指定文化財(彫刻))

阿弥陀堂に安置されている、像高89.6センチメートル、檜材の寄木造りの阿弥陀如来像です。像の特徴や構造から13世紀前半頃の造立と考えられます。阿弥陀堂改修と同じ宝永元年(1704年)に修理されています。

歴史名勝No23「高麗王若光墓」

こまこにきしじゃっこうぼ

高麗王若光こまこきしじゃっこうのはか墓(市指定文化財(史跡))

高麗王若光供養のため鎌倉時代に造立したと伝わる凝灰岩ぎょうかいがん製の多層塔たそうとう。高さ180センチメートル。

じゃっこうぼきんけい

凝灰岩でできた多層塔

歴史名勝No24「高浜虚子歌碑」

たかはまきょしかひ

高浜虚子歌碑

山門前の右手に「山寺は 真義真言しんぎしんごんほととぎす」と詠んだ高浜虚子の石碑があります。

歴史名勝No25 「梵鐘」

どうしょう

梵鐘ぼんしょう(国指定文化財(工芸品))

鎌倉時代に活躍した鋳物師いもじ物部季重による。文応2年(1261年)平姓へいせい高麗氏こまし平定澄たいらのさだすみが高麗勝楽寺しょうらくじに寄進したと記されています。

まだまだある指定文化財

ふどうみょうおう

木造不動明王及び両脇侍像もくぞうふどうみょうおう及び両脇侍像りょうわきじぞう(市指定文化財 (彫刻))

聖天院の本尊で、像内からは8件11点の銘札があり、天正8年(1580年)鎌倉仏師の大蔵法眼により造立され、寛永元年(1624年)に両脇侍像を新造したことが記されています。

かんのんせしぼさつ

木造観音もくぞうかんのん勢至菩薩立像せしぼさつりゅうぞう(市指定文化財(彫刻))

本堂に安置された菩薩像。鎌倉時代初期の特徴が見られます。

わにぐち

応仁鰐口おうにんわにぐち(県指定文化財 (工芸品))

鋳物師渋谷満五郎の作。応仁2年(1468年)に奉納したことが記されています。

きしんじょう

徳川将軍寄進状とくがわしょうぐんきしんじょう(市指定文化財(書跡))

天正19年(1592年)徳川家康が交付した朱印状しゅいんじょう。2代秀忠以降の将軍が交付した朱印状計12通が指定されています。寺領15石を寄進すること、不入の権ふにゅうのけんを認めることが記されています。

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