地域物語 第1編 「日和田山からの眺め」
歴史名勝No1「日和田山の眺望」
外秩父山地の東の縁に位置する日和田山(標高 305m)からは、東に広がる関東平野、南に高麗丘陵、その間に 関東平野の始まりとなる扇状地形をつくり出した高麗川が鹿台橋付近の固い岩盤に当たり南へ流路を変えたことで生まれた巾着田が一望できます。天気が良い日は背景に丹沢、大山、富士山も望むことができます。
周辺は県立奥武蔵自然公園として整備され、また日高市の進める「遠足の聖地」として、 子供から大人まで多くの人々が四季折々に訪れるハイキングの人気スポットです。
日和田山からの眺めは、筏を組み直す継ぎ立て場所だった鹿台橋のたもとや巾着田に水を入 れるための堰など、地形、地質の観察に加え、農地、河川流通など日高の自然と生活についても学ぶことができる学術性の高い眺望といえます。
金刀比羅神社前に広がるチャートの露頭
今からおよそ2億年前、日和田山を構成する岩=チャートが露頭しています。
金刀比羅神社のゴツゴツとした岩場は日和田山を構成するチャートと呼ばれる堆積岩です。これは奥武蔵の山々を形成する古生代から中生代にかけて帯状に広がる「秩父帯」を構成する岩石の一種で、 今から2億年ほど前のものです。地層の面「層理面」が広がり、地層が板状の構造であることがとてもよく観察できます。

金刀比羅神社の鳥居
手水鉢 天明七年(1787年)
更新日:2024年03月21日