平成30年2月号特集「知ってる?日高の『うど』がおいしいひみつ」

むろの中のうどの画像

日高市は県内有数のうどの産地です。市内で生産されるうどは「軟化うど」と呼ばれ、香りが高く、山うどよりもあくが少ないため、生でも食べられます。また柔らかいため、茎・皮・穂の全てが食べられます。

そもそも「うど」は、日本原産の野菜の一つです。たいていの野菜は一度の収穫で終わりますが、「軟化うど」は畑で収穫した後、さらに地下の「むろ」へ植え付けを行うため、手間と時間を要し、栽培は一年がかりとなります。この栽培技術は江戸時代に始まったとされています。

市内では、関東ローム層の土壌が「むろ」作りに適していたことなどから、昭和時代以降に栽培が始まりました。現在は9件の農家で生産が行われており、4月中旬頃まで、市内のJAいるま野直売所(あぐれっしゅ日高中央、高萩南農産物直売所)で購入できます。

問い合わせ 産業振興課農政担当

「うど」ができるまで

畑に植え付けされたうど

前年に掘った「うど」の根株を畑に植え付けます。ここから約8か月間、畑で育てられます。

うどの花

夏から秋

9月頃になると花火のようなかわいらしい花が咲きます。

根株をすくいあげる様子

11月頃

霜が降りるころになると、「うど」の葉や茎などの地上部は枯れ始めます。機械で根ごと掘り取り、根株を人の手ですくいあげます。

うどの伏せ込みの様子

12月から2月

地下の「むろ」に根株を植え込み(伏せ込み)ます。「むろ」の温度を18度から20度に保ち、成長具合を見ながら3日から4日ごとに散水します。

収穫の様子

1月から4月頃

伏せ込み後、約1か月で収穫時期を迎えます。

「むろ」の中をのぞいてみよう!

普段は光や冷たい風が入らないように締め切られている穴。穴の入り口は、1人が入れるくらいの小さな正方形。そこからはしごを使って3.5メートルほど地下へ降りていくと、その縦穴を中心とし、奥行き4メートルほどの横穴が四方に広がっています。横穴の高さは、しゃがんでようやく作業ができる程度なので、長時間に及ぶ「むろ」での作業は、大変な重労働です。また「むろ」の中は、冬の乾燥した冷たい外気とは異なり、心地よい湿度と暖かさと静けさ、そして何ともいえない土と「うど」の香りが漂います。

この「むろ」の中で、「うど」は根株に蓄えられた養分と適度な水分により成長し、1か月ほどで収穫時期を迎えます。暗闇の中、電球に照らし出される真っすぐに伸びた純白の「うど」の姿は、とても神秘的です。

むろの中

日高の「うど」豆知識

栄養

水分が多く食物繊維も豊富で、ビタミンB1、B2、Cが少量ずつ含まれています。また、アスパラギン酸というアミノ酸が含まれており、新陳代謝を高めたり、疲労回復に効果があるとされています。

選び方

茎が太めで穂先まで張りがあり、うぶ毛が全体に密について真っすぐなものを選びましょう。

保存方法

新聞紙に包んで冷暗所で保存しましょう。時間がたつと硬くなってしまうので、なるべく早めに食べましょう。

調理方法

天ぷら(穂先がお勧め)、炒めもの、お吸い物、酢の物、サラダ、きんぴら(厚めにむいた皮がお勧め)

「うど」は日高市の誇り!

秋葉さん

日高市田木 秋葉農園 秋葉 俊幸さん

祖父の代から約50年間、日高市で「うど」を栽培しています。

純白で香りが高く、季節を感じられる「高級食材」として人気の「うど」ですが、植え付けから収穫までの期間が長いことや、「軟化うど」の特徴である白くて柔らかい「うど」にするための「むろ」が必要など、栽培の難しさから、生産者はあまり多くないのが悩みです。

しかし、その分大変貴重なものです。日高市は高級料亭に足を運ばなくても家庭で「うど」を食べることができるとても幸せなまちだと思います。

市民の人こそ、「うど」を食べて、「うど」の魅力を感じ、「うど」の産地として誇りに思ってほしい。そして、日高市全体で「うど」を『日高市の特産品』として盛り上げていってほしいです。

日高ちゃんねる!

この記事に関するお問い合わせ先

市政情報課 広報・市政情報担当 (本庁舎 2階)

郵便番号:350-1292 日高市大字南平沢1020番地
電話:042-989-2111(代表)
ファックス:042-989-2316
お問い合わせフォームへ

更新日:2018年02月01日